コンプレックス ～心に傷を抱えた少女の一年間～

運命の日

☆登場人物紹介（前章「三学期・後半」までの簡単な振り返り）

※人物紹介と簡単なエピソードの振り返りです。

　飛ばしていただいても、物語上問題ございません。

【主人公】

山田（やまだ）　幸子（さちこ）

　高校一年生。通称「さっちゃん」。

　身長一五〇センチメートル弱と小柄。猫背気味だった姿勢は、改善された。

　背中に届く位の黒髪は、くせっ毛で所々が跳ねている。

　胸とお尻は、ぺたんこ。顔全体とほぼ全身に色濃くそばかすがある。

　駿にバレンタインチョコを贈り、駿からはホワイトデーに自分の想いを告げることを約束された。

　しかし、駿からの明確な好意は、『辛い過去』から滲み出る『劣等感』により、大きなストレスとして心にのしかかってきている。

　卒業生謝恩会では、音楽研究部の『歌姫』としての実力を発揮。

　別れの歌を感情豊かに歌い上げ、卒業生たちを魅了した。

　一方で、近づくホワイトデーが内心猛烈なストレスになってしまっており、心は限界の淵にあった。

　駿から想いを告げられる喜ばしいはずのホワイトデー。

　幸子は駿の想いに応えることができるのか。

【幸子の家族】

山田（やまだ）　澄子（すみこ）

　幸子の母親。三十代後半。

　黒髪をボブにしており、少しだけぽっちゃり気味。

　美人ではないが、醸し出す優しげな雰囲気で可愛らしい印象。

　孤独だった自分を支えようしてくれる駿に、心からの信頼を寄せている。

　そんな駿と娘の幸子の関係を応援しているが、幸子の心が壊れかけてきていることに気付く。

【幸子の友だち】

高橋（たかはし）　駿（しゅん）

　高校一年生、幸子の同級生。

　身長一八〇センチメートルの細マッチョ。

　肩くらいまで伸ばした目立たない程度の茶髪をポニーテールにしている。

　いわゆるイケメンで、人当たりも良く、男女ともに人気が高い。

　勉強も運動も得意な完璧超人。グループのリーダー格。

　幸子からバレンタインチョコを贈られ、ホワイトデーに自分の想いを告げることを約束した。

　卒業生謝恩会では、軽音楽部の妨害により参加できなくなりそうだったが、前生徒会長の山辺の力添えがあり、ステージで演奏することができた。

　ステージでは、エレアコ（アンプに接続できるアコースティックギター）で達彦のサポート役を務めた。

　しかし、軽音楽部の小太郎の呪縛から現生徒会長の澪を救おうとしたものの、澪自らそれを拒否、救い出すことは出来なかった。

　そして、幸子に想いを告げるホワイトデー。

　はたして、この恋は成就するのか。

中澤（なかざわ）　亜由美（あゆみ）

　高校一年生、幸子の隣のクラス。

　身長一六〇センチメートル、標準体型だが少し細身。

　背中まで伸びる派手な金髪のストレートヘアー。

　端正な顔つきの結構な美人。人当たりも良く、人気が高い。

　駿とは、小学生時代からの長い付き合い。

　大きなハートのバレンタインチョコを用意していたが、幸子がインフルエンザで学校を休んでしまったため、渡すことはできなかった。

　駿たちには市販のチョコをプレゼントした。

　卒業生謝恩会では、グランドピアノを担当。

　エレアコでメインのメロディーラインを奏でる達彦とともに、音楽研究部のステージを支えた。

谷（たに）　達彦（たつひこ）

　高校一年生、幸子の同級生。通称「タッツン」。

　身長一八〇センチメートル弱の細マッチョ。

　黒髪のツンツンヘアーに、目深に巻いたバンダナがトレードマーク。

　無愛想で口が悪いので友だちは少ないが、実際は思いやりのある男の子で、二年生の川中静との仲を深めている。

　武闘派で喧嘩っ早い。駿とは幼い頃からの長い付き合いで親友の間柄。

　バレンタインデーは、静から手作りチョコを贈られた。

　卒業生謝恩会では、エレアコでメインのメロディーラインを担当。

　グランドピアノの亜由美とともにステージを支えた。

小泉（こいずみ）　太（ふとし）

　高校一年生、幸子の隣のクラス（亜由美の同級生）

　身長一七〇センチメートル、体重百キログラムの大柄な体格で、坊主頭にしている。

　マイペースで、食欲が第一優先事項。

　いつもニコニコしていて、物腰も柔らかいため、男女ともに人気は高い。

　駿とは中学生時代からの付き合い。

　バレンタインデーは、詩穂から手作りチョコが送られてきたらしい。

　卒業生謝恩会は、駿とともにエレアコで達彦のサポート役を務めた。

山口（やまぐち）　寿璃亜（ジュリア）

　高校一年生、幸子の同級生。

　ギャル軍団のリーダー格。

　肩先まで伸びる黄色に近い金髪の白ギャル。

　ノリ優先のお調子者でいつも賑やか。胸が大きい。

　駿たちとは小学生時代からの長い付き合い。

　バレンタインデーは、駿に手作りのチョコ（ミルクチョコ）をプレゼント。

　達彦や太には、市販のチョコをプレゼントした。

竹中（たけなか）　心藍（ココア）

　高校一年生、幸子の同級生。

　ギャル軍団のマスコット枠。

　背中まで伸びるストレートの銀髪の黒ギャル。

　ほんわかしているが、時折下世話な爆弾を投げ込む。胸がすごく大きい。

　駿たちとは小学生時代からの長い付き合い。

　バレンタインデーは、駿に手作りのチョコ（ホワイトチョコ）をプレゼント。

　達彦や太には、市販のチョコをプレゼントした。

伊藤（いとう）　希星（キララ）

　高校一年生、幸子の同級生。

　ギャル軍団の良識枠で、影のリーダー。

　茶髪のショートヘアのお姉さん。ギャル軍団のまとめ役でツッコミ役。

　普段優しい分、キレると本気で怖い。胸が慎ましい。

　駿たちとは小学生時代からの長い付き合い。

　バレンタインデーは、駿に手作りのチョコ（ビターチョコ）をプレゼント。

　達彦や太には、市販のチョコをプレゼントした。

東雲（しののめ）　倫子（りんこ）

　高校二年生、コーラス部の部長。

　身長一六〇センチメートルで七〇キログラム弱のちょっとぽっちゃりした女の子。

　黒髪のミディアムで、毛先を軽くカールさせている。

　真面目かつ温和な性格で、部員みんなから慕われており、アルトからソプラノにかけての音域を得意とする歌い手。

　駿には、後輩以上の感情を持っているが、幸子とのことを理解しており、今以上の関係は望んでいない。

　バレンタインデーは、駿に手作りのハートのチョコをプレゼントした。

長嶺（ながみね）　光（ひかる）

　高校二年生、吹奏楽部の部長。トロンボーン担当。

　身長一七五センチメートルでスレンダーとモデル顔負けのスタイル。

　黒髪ショートヘア。頼れる姉御肌で正統派美人。

　裏表のない真っ直ぐな性格。

　ただし、恋愛ごとには不器用で、肉食全開で暴走してしまう。

　（実際のところは、キスすらしたことがない）

　現在は、駿と幸子の両方を狙っている。

　バレンタインデーは、駿と達彦に市販のチョコの小袋を投げ渡した。

　卒業生謝恩会では、軽音楽部の策略を黙認した生徒会長・澪に激怒。

　謝恩会の席で、澪に対して怒りの咆哮を上げた。

　引き続き『コンプレックス』をお楽しみください。