瑠璃も玻璃も照らせば光る

笹木シスコ

〜序章〜

 

 私は、自分の母のことを、長い間『毒親』だと思っていた。




 私がその言葉を初めて知ったのは、大人になって随分経った頃、何気に開いた新聞の見出しになっていたのを、本当に何気に見つけたのがきっかけだった。



 『毒親』などと、インパクトのある表現。だけど強い吸引力を持ったその言葉に、私は文字通り吸い込まれるようにその記事を一言一句、噛み締めるように読んだ。



 読んだ途端に思った。これは、私の母のことじゃないかと。

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