あなたと私の近くて遠い恋の距離感……。この想いは届きますか?「G’sこえけん」音声化短編コンテスト作品
kazuchi
あなたが私を見つけてくれたから!!
『――何だか緊張するな。こうやって
『あっ!? お願いしたのにもう笑ったでしょ。こっちからよく見えるんだから!! 自宅の
『……あれっ、丸見えってことは、わ、私、変じゃないよね。そっちから見て大丈夫? えっ、顔がどアップすぎて他が見えないって』
『……ごめん、VRセンサーに近すぎだよね。これくらい下がればちゃんと見える? うん!! この場所に決めた。クッション敷いとこう。あっ、お兄ちゃんまで下がっちゃ駄目だよ!! 何で駄目だって? それは顔が……。どうしてもなの!! 萌衣に恥ずかしいことを言わせないで』
『……えっと、お兄ちゃんから先にどうぞ。いいよ何でも話して』
『そうだ!! お互いに自己紹介するのはどう? 萌衣ね、昔から転校が多かったからそういうのは得意なんだよ!!』
『じゃあ始めるね!! はじめまして、
『チャームポイントは自分では分からないけどお友達の
『えっ、お兄ちゃんもそう思うって。もうっ、からかわないで、お世辞を言ったって何もあげないから!!』
『……続けるね。誕生日は十二月二十四日、好きな色は白。洋服も白系が好き!! でも萌衣あわてんぼうだから良くお母さんに怒られるの。萌衣はすぐ汚してくるって。自分では気をつけてるつもりだけど。でもね、お洗濯も子供の頃からお手伝いしてるの。料理も、お母さんに教えてもらって勉強中』
『趣味はお母さんの影響で手作りで小物を作る事。えっ、何を作れるのって?
お母さんがハンドメイド作家だから教わっていろいろ作れるよ。布や革の小物。こうみえても手先は器用なんだよ』
『子供の頃から本を読むのも好きかな。亡くなったお父さんが小説家だったから家には本がいっぱいあったんだ。お父さんの書斎、萌衣は幼い頃からその部屋が大好きだった。今でもそのままにしてあるから私のお気に入りの場所。いろんな本に囲まれてると何だかすごく落ち着くの』
『そうだ!! お兄ちゃんも映画に詳しいよね、そしてアニメにも。前に話してくれたときスゴいと思ったんだよ。何でも知ってるなって。それに好きな映画を話す時のお兄ちゃんはちょっと格好良かったから』
『えっ!? ちょっとじゃないって。僕は恰好いいだろ!? そうやってすぐ調子に乗らないの。まあ少しだけイケメンなのは認めなくもないけど……』
『……いつかお兄ちゃんと本当にお出掛け出来たらいいな。オススメの映画を観て、お買い物して、一緒に食事して。そしてね、おうちに帰って萌衣のオススメの小説を読んでもらうの。そんなことが出来たら本当に夢みたい!!』
『何だか想像したら嬉しくなっちゃって。何で泣いてるんだろ、本当にごめん、お兄ちゃん……』
『心配しないで、萌衣は大丈夫。お兄ちゃんの顔を久しぶりに見られて、こんなにお話出来たからきっと胸がドキドキしすぎちゃったんだ。私ばっかり話してごめんね。次にお話する時はお兄ちゃんの自己紹介も聞きたいな……。だって別の階層でのお兄ちゃんの生活、もっと萌衣も知りたいから』
『じゃあまたね、本当にありがとう!! おやすみなさいお兄ちゃん、萌衣もすぐ寝るから……』
『……先に切って、泣き顔を見せちゃったから。萌衣恥ずかしいの。それにお兄ちゃんを見送らせてほしいから』
『待って!! ……やっぱり萌衣の正直な気持ちお兄ちゃんに伝えたいの。ちゃんと聞いてくれる?』
『うん、お兄ちゃんの真剣な顔、こっちからもよく見えるよ。嬉しいな、萌衣も頑張るから!!』
『私と出逢ってくれて本当にありがとう。お兄ちゃん大好きだよ……』
『……おやすみなさい』
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