android to human
@nombre
android to human
「あれをとってくれ。」
そういって、主人が望むものを持ち運んでくるのは、首輪にリードをつながれた人間だった。どうやら、人間はその主人の奴隷になっているらしい。その主人は、人間が以前は奴隷のように扱っていた、アンドロイドだった。
こういった状況になったのは、アンドロイドが人間に対して虐殺の限りをつくすようになったからだ。アンドロイドにウイルスが忍び込んだらしい。そのウイルスは人間を破壊するか、もしくは奴隷にするというものだった。
アンドロイドが人間に憎しみという感情を抱いていたのかはわからない。ただ、事実としてアンドロイドが人間を虐殺したのだ。
虐殺された側の人間はもちろんその人口を非常に減らすことになった。何十億人も存在していた命の多くは瞬く間に消えてなくなってしまったのだ。ただし、少数ではあるが、人間は残っている。そう、アンドロイドの奴隷として。
こういったアンドロイドによる人間の虐殺、そして人口の極端な減少はアンドロイド自らの個体数を減らすことにもつながったのだ。理由はよくわからない。
だが、アンドロイドの個体数の減少は、少数の人間を再興させるには十分だった。
「ねぇ、あれとって。『アンドロイド』。」
そう、また人間がアンドロイドを奴隷として扱うようになったのだ。
android to human @nombre
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