教室における戦争行為について思うこと

バブみ道日丿宮組

お題:戦争と武器 制限時間:15分

 武器があるから争いが起こるというわけではなく。

「……」

 言葉があるから争いが起こる。

 教室では怒鳴りが続いてる。

 物が投げられるという事態には陥ってないが時間の問題だろう。

 その前に教室から抜け出せればいいのだが、逃げようとすれば周囲から視線を受ける。そうなれば、怒鳴りはすぐに私のところにやってきて、行動を阻害する。

 席が窓側ってのが余計に悪い。

 せめて廊下側であれば、視線で停止することなく廊下へと走り抜けられたはずだ。

 そう『はず』なわけで、確定じゃない。

「……」

 もしならばというのは存在しない。窓側なのを変更することはできない。

 そんなことを考えてたら、次々に立ち上がってく。

 これは物が投げられるまでの時間が残り少ないことを意味してる。

 机の下に隠れるべきだろうか?

 それでもノートやら教科書やら、筆箱やらは普通に通過してくる。机は縦は守れるが、横は空間。つまり貫通してくる。

 いっそのこと立ち上がった人を無双して蹴散らすというのはどうだろうか。

 座ってる椅子を持って、振り回していけば、効果はでかい。

 ま、体力も握力もない私がそんなことできるわけないが。

 そうこう考えてる内に、投げ合いが開始された。

 この瞬間なら、移動はできるだろうと、窓側の一番うしろへと避難した。

 不幸にも参加した仲間たちが次々と集まってく。

 人壁が完成した。

 よし、これで大丈夫だと思ってたら上から辞典が降ってきた。

 避けれない。避けるスペースがない。

 手でなんとかガードするも重いし、痛い。

 絶対痣になってる!

 これ以上は無理と、人壁の服もとい下着を引っ張り奪い取る。

 なにしてくれてんのという威嚇をされたが、素手と布一枚じゃショックが違う。

 あぁなんていうか生暖かいブラジャーはえっちだな!

 こんなときじゃなければ、匂いを嗅いだり、舐めたりしたかったよ! どんびきだけどね!

 両手左右に色違い大きさ違いのブラジャーを天に捧げて、ガードを固める。胸の形を保護するブラジャーは手と頭を守る下着にもなるのだ!

 そうして十分が経過する頃には怒鳴りは散っており、はたして人壁もどく。

 その際思いっきり、叩かれたね。仕方ないよね。ブラジャー取ったんだもの。周りに見られたんだもの。私だってそうすると思う。

 泣き顔の人壁は廊下に向かって出ていった。

 戦争は終わった。

 残ったのはいい匂いだったなという下着の香り。そして発生する教師からの説教という理不尽な時間。私は悪くないのに、悪いことにされた。被害者なのに被害者なのに……。

「……はぁ」

 ゆううつだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

教室における戦争行為について思うこと バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る