第32話  柔らかくて

夢はいつまでも 柔らかくて

その度に色を 奪われかけた

君との過去は 遠のくにつれ

現を色濃く 影で覆った


濡れた街灯かり 彩滴り

雨に滲んだ ドット絵が

ある夜 肌に雨で沁み込み

色を含ませ 熱を奪った


新たな熱が 生まれた朝には

夢は柔らかく 淡くぼやけた


仕舞いこまれた埃を払い

壁伝いに一歩を踏みしめ

新しい空気をようやく吸った


だからお前も うずくまるな

この扉を 今すぐ開けろ

そこにいるのは分かってる

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