クリスマスイブデートの終わりにて

「あ~あ、今日ももう終わりか~」


 観覧車も終わり、閉園時間で駅などが混む前にと俺たちは出口に向かって歩いていた。


「まぁ、また行けばいいよ。これから時間はいくらでもあるからさ」

「うん!でもやっぱり終わりって寂しいな…」


 そう言って俯く彼女の頭に俺は手をのせて撫でる。彼女はそれに合わせてこちらを向く。


「んみゅ?」

「確かに遊園地は終わりだけど、今日はまだ終わってないぞ」

「それって?」

「家に帰ったら分かるよ。今日は泊っていくでしょ?」

「う、うん。泊っていくけど…」

「なら良かった」


 頭から手を離すと、俺はそのまま止まっている彼女を置いて前に歩き出す。


「えー?なに?教えてよー!」

「まぁまぁ」


 七海はそんな俺にテコテコと小走りでついてくる。

 それから帰りの電車に乗るとあっという間に家の前に着いた。


「ただいまー!」

「おかえりー、おにぃ、おねぇ」


 家に入ると直ぐに京が出迎えてくれる。


「おにぃ、届いたやつはリビングの机に置いてあるよー」

「おう。受け取ってくれてありがとな」

「?」


 そのままリビングに向かうと、机の上にはフライドチキンにはじまり沢山の料理が置いてあった。


「すごい…。どうしたの?」

「クリスマスと言ったらやっぱりパーティかなって思って頼んでおいたんだ。あと、京」

「うん。じゃじゃーん」


 そう言って京は手に持っていた紙を広げる。そこには模試の結果に加えて、俺たちの通っている高校の名前とA判定の文字があった。


「えぇ!京ちゃん、すごい!」

「えへへ」


 七海はそのまま京に抱き着いて彼女の頭を撫でる。


「まぁそういうわけで、そのお祝いも含めてるんだ」

「うん。いいね!」


 彼女はまだ京を撫でながら返事をする。


「じゃあ食べようか。ちなみにケーキもあるぞ」

「やった!」


 俺たちは食卓について手を合わせる。


「いただきます」

「いただきます!」

「いただきまーす」 


「んぅ〜!うまーい!」

「落ち着いて食べないと喉詰まっちゃうぞ」

「はーい。あ!おにぃ、おねぇ。このポテトもすっごく美味しいよ!」


 食べ始めてがっつく京を俺は少し微笑みながら見守りながら俺もご飯を食べ進める。


「ふぅ…。満腹だ」

「私もまんぷくー」

「もう食べられなーい」


 机に乗っていた料理も、冷蔵庫に入れていたケーキもすべて食べ終わり、俺たちは満腹で動けないでいた。


「いやー美味しかったね!」

「ねー!」


 そう言いながらソファーで駄弁っている二人を尻目に洗い物をする。


「あきとー。手伝うよ?」


 先ほどまでソファーにいた彼女は俺が洗い物をすることに気づくと、こちらに歩いてくる。京は変わらずソファーでだらけている。


「お、ありがとう」

「いいってことさ!」

 

 まだ今日のテンションが抜けていないのか、ハイテンションでそう言った。

 洗い物を片し、お風呂も済ましてもう寝る準備が整った。


「ねぇ、七海」

「んー?」

「今日一緒に寝ないか?」

「え?いいの?」

「まぁ今日は記念日だしね。どうかな?」

「うん!一緒に寝る!」


 俺たちはそのまま俺の部屋に向かう。


「いやー、今日は楽しかったね!」

「だね。遊園地も楽しかったし、料理も美味しかったし」

「ねー!あのモンブランまた食べたいね!」


 そのまま俺たちは時間を忘れて今日の話題で盛り上がった。

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