遊園地にて 2

 ジェットコースターの列がどんどんと捌けていき、ついに自分たちの番が回ってきた。


「ジェットコースターって乗る前が一番ドキドキするよね!」

「てかさ…、思ったよりもでかくね?」

「ね!大きいよね。結構テレビでも取り上げられてるらしいよ。すごい怖いんだって!」


 彼女は乗り込みながらワクワクした様子でこちらに語ってくる。


 そして、乗車後。

 俺はベンチで項垂れていた。しばらくして七海が飲み物を持ってこちらへやって来る。


「あきと、大丈夫?はい、これ飲み物」

「あぁ、大丈夫。ありがとう」


 俺は顔を上げて買ってきてくれた飲み物を受け取り、そのまま飲み物を呷る。冷えた飲み物はいつもよりも美味しく感じた。


「思ったよりジェットコースターすごかったね~」


 俺が飲み物を飲むのを見た後、七海は俺の隣に座る。


「思ったよりもきつかったわ。ごめん、足止めちゃって」

「全然大丈夫だよ!…膝枕とかしようか?」


 そう言って彼女は自分の膝を叩く。


「いや、待っていた間に結構回復したから大丈夫だよ。帰ってから家でお願いしてもいいか?」


 そう言って立ち上がり七海の頭を撫でる。流石に人の往来が多い所でするのは恥ずかしすぎるし、少し迷惑になってしまうから我慢しなければ。


「うん!」


 七海は勢いよく立ち上がり、俺の後ろについてくる。

 俺たちは気を取り直して色々なアトラクションを回り始める。コーヒーカップに乗ったり、バイキングに乗ったりして遊園地を満喫した。

 そして辺りが暗くなってきた時、俺たちは大観覧車の前にいた。


「じゃあ乗ろっか」

「うん!」


 俺たちは手を繋いで一緒に乗り込む。


「1年前もこうして観覧車乗ったよね!」

「そうだな、とはいってもあのときはテーマパークだったけど」

「いやー、一年で色々あったね~」


 思い出すように彼女はそう語る。


「ねぇ、明人。これからもよろしくね!」

「うん。これから進路の事とか受験の事とか色々なことがあるけど、これかも一緒にいよう」

「うん!」


 そう言って彼女は観覧車の中でも関係なく抱き着いてくる。


「でも俺たちの受験の前に京の受験があるんだよな」

「そうだよね、あと2か月ぐらいしかないもんね」

「大丈夫だとは思うけど」

「でも、あと少ししたら京ちゃんが後輩になるんだね!」


 彼女は楽しそうに言う。


「京がうちの高校に来たら高校生活がもっと楽しくなるな」

「ね!絶対楽しいよ!」

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