文化祭にて 4
自分たちのシフトを終えて、教室を出る。
「じゃあ、どこからまわる?」
「そうだな…。取り敢えず、お腹すいたから食べ物系回るか」
「だね!」
そう言って俺たちは食べ物系のお店に向かった。
「色々あって迷っちゃうねー」
「だな。本当に沢山あるな。何から食べようか」
「取り敢えず、端っこから食べてこー!」
そこからは焼きそばに始まり、ハッシュドポテトやミニピザなどを沢山食べていった。
「ふー、沢山食べてお腹いっぱいになったねー」
「いい感じにお腹膨れたね」
「ねぇねぇ、円香ちゃんのクラスがお化け屋敷やるんだって!行ってみない?」
「俺はいいけど…。七海は大丈夫か?前にホラー映画見た時もやばかったけど」
「まぁ、文化祭のお化け屋敷ぐらいならね〜。全然余裕だし!明人もビビって腰抜かさないでね〜」
「お、言ったな。じゃあお化け屋敷行こうか」
そう言って、俺たちは青葉さんのクラスのお化けやに向かった。クラスの教室に着くと、青葉さんは受け付けにいた。
「あ、こんにちは。お化け屋敷入るんですか?」
「うん!」
「えっと、七海ちゃんってホラー苦手じゃ…」
「文化祭のお化け屋敷ぐらいなら全然大丈夫!」
「…そうですか」
そう言って本当に大丈夫かと、俺の顔を見る。俺は苦笑いすると、
「まぁ、日野さんがなんとかしてくださいね」
「おう」
「?」
七海はよく分からなそうに首を傾げる。
「なんの話ー?」
「こっちの話だよ」
「こっちの話ですよ。じゃあ、こちらの懐中電灯を持ってく入ってください」
「明人、いこ!」
そのまま俺たちはお化け屋敷に入る。
そしてお化け屋敷を出るときには、七海は俺の背中の上にいた。途中まではただ怖がって抱きついていただけだったのだが、最後の脅かし、もう出口で油断していたときに突然脅かされてすっかり腰を抜かしていた。
「うぅ…ごめんね。あきと…」
「ん?全然大丈夫だよ。むしろ、この状況まで楽しいよ」
「私が怖がってるのに笑うなー!」
「あはは」
彼女は不満そうに言う。
「むぅ…。そんなこと言う明人にはこうだ!」
「おっ!」
そう言って俺の耳に甘噛みしてくる。甘噛みといって唇でハムハムしているだけだが。しかし、俺は両手で彼女を支えているため抵抗できない。それは、七海が満足するまで続いた。ひと段落すると、七海は背中から降りる。
「少し、どこか休憩できるところ行くか?」
「大丈夫、もう復活したよ!次はどこに行こっか!」
「本当に大丈夫か?」
「うん!」
「じゃあ、次はここに行かない?」
「お!いいねぇ。行こ!」
そうして俺たちは色々な出店をまわって、文化祭を楽しんだのだった。
こうして俺たちの文化祭は幕を閉じた。
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