文化祭にて 2

 文化祭が始まりお店のほうに一般のお客さんがどんどん入ってくるようになってきた。俺たちはその来たお客さんをどんどん席へと案内していく。


「いらっしゃいませ!こちらへどうぞ!」


案内と同時にお店がどんどん慌ただしくなっていく。


「こっちにAセット1つ!」

「了解!」


 出し物として順調な滑り出しで忙しいのはクラスとしては嬉しい悲鳴だったりする。

 それから少し経ってこのお客さんの波が過ぎひと段落した時、1組のお客さんが教室に入ってきた。



「こんにちは〜」

「あ、京ちゃんだ!いらっしゃい!」

「来たよー」




 来たのは京だった。そしてその背後には人影があった。俺は久しぶりに会った彼女に声をかける。


「久しぶり、光ちゃん。ゆっくりしていってね」

「は、はい。お久しぶりです。お兄さん」


 彼女はひょこっと京の背中から顔を出して挨拶してくれる。


「あ!この子が光ちゃん?」

「?」


 七海が声をかけるも、光ちゃんは誰か分からず何を言ったらいいか分からない様子で首を傾げている。そこで京が説明する。


「この人は、おにぃの彼女でおねぇです!」

「え?」

「その説明じゃ分からないだろ」


 光ちゃんは京の謎の説明にまだ何も分からない様子を見せると、七海の方を向く。


「えっと…」


 七海も光ちゃんの方を向くと自己紹介を始めた。


「はじめまして。京ちゃんのお兄ちゃんの彼女の片瀬七海です」

「えっと、鶴見つるみひかりです。よろしくお願いします」

「ねぇねぇ!私も光ちゃんって呼んでいい?」

「え、はい。大丈夫…です」

「ちょうど人が少ない時に来てくれて助かったよ。さっきまで人が凄かったからな」

「そうなの?それなら良いタイミングだったねー」

「じゃあこちらへどうぞ」

「うん!くるしゅうないぞ〜」

「今、人いないし七海も一緒に休憩したら?」

「いいの?」

「うん。大丈夫だよな、翔太?」


少し遠いところにいる翔太に聞く。


「おう。お客さんが増えるまでは全然いいぞー」


 そうして彼女達を席まで案内する。そのまま彼女らは注文を済ませると、流れるように、ガールズトークが始まって、もはや俺が入り込む隙がなくなってしまった。

 そんな彼女達を遠目で見ていると、ガラッと教室のドアが開く。そして、ドアの近くにいるからか俺が話しかけられる。


「こんにちは。そこの君、私を案内してもらえるかな?」

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