ウォータースライダーにて
夏祭りが終わり、俺たち4人は少し遠くのプールに訪れていた。
事の発端は夏祭りの帰りでの会話だった。
「なぁ、来週の日曜日よければここのプール行かないか?親父が貰ったんだけど使わないからって俺にくれたんだ」
そう言って翔太が見せたのは、少し遠くのプールの優待券だった。
というわけで俺たちはそのご相伴にあずかり、今ここにいるというわけである。
「取り敢えず、着替えてきましょうか」
「そうだね」
俺たちは男女別れて更衣室に行き着替えを済ます。男子陣は先に着替えを終えて、女性陣を待っていたが、さほど待つ事もなく彼女らはやってきた。
彼女らの水着は七海は青色のフリルのビキニで、青葉さんは同じく青系統のオフショルのワンピースで下がスカートみたいになっていて二人ともとても似合っていた。
「二人とも良く似合ってるよ」
「えへへ、いいでしょ!前に買い物に行ったときに二人でお揃いにしたんだ!」
そう言う七海はまるで姉妹の様に青葉さんの背中から抱きつく。
「最初はどこに行きましょうか」
「んー、どこ行こうか」
「それだったら、ここで一番有名なウォータースライダー行かないか?」
「いいねー」
「じゃあ最初はそこに行ってそこから色々回ろうか」
「だね」
と言うわけで、俺たちは遠くに見えるウォータースライダーを目指して歩き出した。
ウォータースライダーのすぐ近くに着くと、その大きさにビビり少し足取りが重くなる。
「思ったよりも、大きいな」
「ね、少し怖いかも」
「まぁ、ここら辺で一番大きいからね」
ウォータースライダーのすぐ下に着いてすぐに横にある階段を登り始める。暫く登り続けると、頂上、つまりウォータースライダーのスタートに辿り着く。着くと係員の人が次々と案内をしてくれる。係員の人いわく、ウォータースライダーは、一人から二人で乗れるらしくそれを選んで欲しいらしい。
「どうする?」
「まぁ取り敢えず一人ずつ行きましょうか」
「そうだね」
そいって俺たちは案内に従って滑り始める。
みんなが滑り終えて、ウォータースライダーの下のプールに着いた。
「ねぇねぇ、明人!もう一回、今度は二人で一緒に滑ろ?」
楽しかったらしく七海は直ぐに楽しそうにアンコールをしてくる。
「いいぞ。じゃあ、翔太達はどうする?」
「じゃあ俺たちも、滑りに行くか」
「そうですね…」
そう言って俺達はまた、ウォータースライダーに向かった。二人乗りの乗り方は乗り物の浮きに俺が最初に座り、その上に七海が上に乗る様な体勢になった。そして俺は七海が落ちないようにしっかりお腹の辺りに手を回した。七海はスタートの前、俺の方を振り向く。
「あきと、離さないでね」
「おう。任せとけ」
そうして俺達はウォータースライダーを滑り出した。
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