過去語りの後にて
「とまぁ、こんな感じで今に至ります」
話を聞き終えて、翔太は少し考える様子を見せると。
「なるほどな。言わなかったのは嫌な視線を集めたくなかったからか?」
「そうだ」
「というか、片瀬さんは大丈夫なのか?ほら今の話だとかなりの恥ずかしがり屋らしいけど」
「あー。それが明人と一緒にいれば全然大丈夫なんだよねー」
「そ、そうか…」
翔太はもう考えるのをやめた様に項垂れた。
「それで、これからも学校でイチャつくのか?」
「まぁ、そうなるかな」
「そうか…。まぁ、それでも俺とも遊んでくれよな」
「おう、もちろんだ」
「でもおねぇ良かったね」
「…?何が?」
「おねぇ前から言ってたじゃん。学校で話せなくて寂しいって。けどおにぃもおねぇのことを思って学校でイチャついてないから我儘言って迷惑をかけたくないって」
「そうなのか?」
「ふぇ?!えっと、その…うん…」
「そうか、それはごめん。踏ん切りつかなくて」
「いや、それはもう大丈夫。今、こうして学校でもイチャつけるようになったんだから」
「そっか、それなら良かった」
俺たちが全部話し終える頃にはもう時間はお昼になっていた。
「じゃあ、そろそろお腹も空いてきたし、昼飯食べよっか」
「そーだね!もうお腹ペコペコだよ!」
そうして、俺達は出前でお昼ご飯を頼んだ。
ご飯を食べ終わると、それからはみんなで日が落ちるまでゲームをした。
「じゃあまた来るわ!今日はありがとな!」
「おう!」
「あれ?片瀬さんは帰らないのか?」
「あぁ、今日はこのまま泊まっていくらしい」
「そ、そうか。じゃあまた月曜日、学校で」
「おう。じゃあまたな」
翔太が家に帰ると、七海は脱力した様子でソファに腰を落とす。
「はぁ〜、疲れた〜!」
「そんなに緊張したか?」
「したよ〜!だってそんなに話したことない人だもん。けど最後の方は、ゲームとかして仲良くなって楽しかった!」
「そっか、じゃあ今日はお疲れ様だね」
「うん!癒しておくれ!」
「仰せのままに」
そう言って彼女を膝枕すると、とても疲れていたのかすぐに寝てしまった。
そんな彼女をお姫様抱っこしてベットに運び、俺も布団に入って眠りにつくのだった。
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