家にて
帰りのSHRが終わると、俺は急いで帰る支度を整える。
「おーい明人。今からゲーセン行かね?」
「悪い今日も早く帰らなきゃいけないんだ」
「なんか最近付き合い悪くないか?」
「悪いって、今度またどっかで埋め合わせするよ。取り敢えずもう帰るわ」
「おう。また明日な」
さて、急ぎ足で家に帰るとしよう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
家に着いてドアを開けると。
「お帰り〜おにぃ、お土産は?」
「ほれ、ポテチでよかったか?」
「ん。苦しゅうない」
「お前は何様だよ。」
「妹様だよ、敬いたまへ。」
「へいへい。」
こいつは妹の
「そういえば、おねぇ家に来るって。多分もうすぐ着くんじゃない?」
「おう。」
もちろん俺らは二人兄妹で姉などいない。そんな中、京がおねぇと呼ぶその人物はー
「おかえりー!あきと!」
玄関のドアが開く音が聞こえたと思ったらすぐさまリビングのドアが開いて、声の主が抱きついてくる。
「ただいま、七海。」
そうあの、片瀬七海だ。
学校では無表情で有名な彼女だが、それが嘘みたいに、家ではコロコロ表情が変わる。ちなみに髪色は綺麗な黒色で、髪型はミディアムヘア、身長は俺よりも少し小さいぐらい。俺の希望で学校では今まで通り過ごしているので、知ってる人は俺、七海、京の3人しかいない。実は去年色々あって付き合うことになったのだが、その話はおいおい話すとしよう。
「今日も泊まるのか?」
「うん!ダメかな?」
「いや、俺は構わないよ。けど京に聞いとかないと。」
流石に、高校生の男女が付き合っているとしても同じ部屋で泊まるのはまずいので、いつも泊まってもらう時は京の部屋に泊まってもらってる。
「別にいいよ〜。とゆうかいつもの事じゃん、今更確認なんて取らなくてもいいよ。」
「いつもごめんね?ありがと!」
「いいよ〜、私も楽しいし、おねぇとのお泊まり。」
「ありがと〜!!」
そう言って京に抱きついてる七海。
「くるしいっておねぇ、く〜る〜し〜い〜」
そう言いながらも楽しそうだ。
「イチャイチャするのはいいけど、また後でな。とりま、飯食べようぜ。」
「「はーい」」
京との2人暮らしで、いつも料理は俺が担当だ。
しかし、京も女の子、料理が作れないと後々苦労するかもしれない。そう思い俺は、
「なぁ、京」
「んー?」
「一緒に料理しないか?」
「えー?私食べる専門だからな〜」
「手伝ってくれるだけでいいからさ」
「えぇ〜〜」
まぁうん、わかってたさ、この物臭は料理などはしないって、わかってたけど。ここまで嫌がられるとちょっと悲しいな。
「私が手伝おうか?」
「嬉しいけど、いいよ。七海はお客さんだし、手伝わせるわけにはいかないよ」
「気にしないのに、付き合ってるんだし。私は、しょ…しょうらいのためにも、一緒に料理する練習すべきだと思うのです!」
全くこの子は、こうゆう事をしれっと言ってくれるんだから。
「わかった、じゃあ一緒につくろうか」
「うん!」
「じゃあ、エプロンとってくるね!」
そう言ってパタパタとリビングを出て行く。
そして、料理に取り掛かろうとすると、後ろから肩をつつかれる。何かと振り向くと、やけにニヤニヤした京が。
「いい仕事したでしょ?」
「なんか釈然としないんだが?」
「まはまは」
「それより夕飯、何食べたい?」
「じゃあ、チャーハンで」
「あいよ」
そうしてると、エプロンを着た七海が戻ってきた。
エプロンは、白色が基調で所々に鳥の刺繍がなされたシンプルな物だが、よく似合っていて、七海の可愛さを引き出していた。
「えへへ、どうかな?似合うかな?」
「うん。よく似合ってて可愛いよ。」
そう言うと七海は、顔をほのかに赤くして嬉しそうに、
「えへへぇ…」
そう言ってはにかんだ。
そんな甘い空気に耐えられなくて、話題を変える。
「じゃあ、作り始めるか」
「うん!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます