学校では無口な彼女と学校でもイチャイチャする話

ウパ戌

学校にて

・・・・・ーンコーンカーンコーン


「んぁ?」

「おっ、ようやく起きたか明人」


 学校のチャイムで目が覚めた。俺の名前は日野ひの 明人あきと、今年高校2年になった。顔はイケメンでもなく中の中、何処にでもいる高校生だと思う。


「翔太か…」

「もう昼休みだぞ、飯食いにいこうぜ」

「おう」


 こいつは和泉いずみ 翔太しょうた。小学校からの付き合いで、その間ずっとクラスが一緒だったので気づいたらもう親友と呼ばれるほどの仲になっていた。高2になってもまた同じクラスだった。


「そう言えば明人は聞いたか?あの噂」

「噂って?」

「知らないのか?何しろあの無表情で有名な片瀬さんが、最近笑顔をよく見せるらしいってやつだよ」

「そんなに驚くことなのか?」

「そりゃあなぁ、あの片瀬さんだぜ?学校一のイケメンの告白ですら無表情で断る人だぞ」

「まぁ、そういうこともあるんじゃないか?」


 片瀬かたせ 七海ななみ、俺らと同じ高校2年で、凄い美少女で有名だが、それと同じくらい無表情で有名である。入学当初は告白をよくされていたが、あまりにも無表情で断られるため男達の心が折られ、挑戦する人は今では少ないらしい。


「俺の予想だと片瀬さん、好きな人ができたと思うんだよ」

「そうか?」

「いや、それ以外考えられないだろ?片瀬さんが笑顔になった理由なんて」

「そういうもんなのか?」

「そういうもんだろ」

「でも、そうかぁ…」

「おっ、どうした?まさか狙ってたのか?」

「んや、別に」

「まぁそうだよな、お前色恋沙汰とは無縁だもんな。一体いつになったら明人に春が来るんだろうな?」

「ほっとけ、早く学食いくぞ。」


 そう言って教室を出て学食に向かう。学食に着くと、渦中の人物がそこにいた。

翔太も気づいたのか、俺に耳打ちしてくる。


「噂をすると片瀬さんだぞ」

「そうだな」

「そっけねーな」


ふとあちらを見やると。


「ーーーッ!」


完全に目があった。


「おい明人、今片瀬さんこっち見てなかったか?まさか俺を見てた?」


なんかこいつのテンションうざいな。


「気のせいだろ、早く飯取りに行くぞ」

「あいよ」


 注文を済ませ飯を食べ始める。


「ほら、くだらない事言ってるから昼休みあと少しだだぞ。」

「ヤベッ、ガチでもう時間ないじゃん「ご馳走さま」ってはやっ!?」

「ほら置いてくぞ〜」

「ちょっと待って!今食べ終わるから、本当に待って行かないでくれ〜」


 そんな翔太を尻目に教室に戻った。

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