神様と暮らしたなら
YO_KO
第1話 ある日突然に
「ふあぁー。もう起きなきゃな」
私はイヤホンをはずしてベッドに起き上がる。
途端に
「今日は午後から雨が降るよ」
「〇〇さんが来る」
「○✖️△」「※※※」
うわあっと声が押し寄せてくる。
「皆」との賑やかな1日がまた始まる、、、
私は普通の女の子だった。一年前までは。
子供の頃にはご先祖さんの夢を見て「墓参りに来てくれ」とか「饅頭を供えてくれ」とか頼まれることはあった。
でも、今みたいに常に周りに霊やら神様やらといった異世界のものたちがいて、話しかけられたり、体を貸したりなんてことはなかった。
一年前のこと、出会い頭であわや大事故となるところでまるで何もなかったかのように無傷ですんだということがあった。その時に「皆」曰く、‘’目覚めた‘’らしい。それから「皆」との生活が始まった。
母は、生まれながらに霊、神様、妖精といった異世界のものが見えて声が聞こえる人で、側からみたら誰もいないのに会話してる不思議ちゃんだった。その血を継いだようだ。でも"目覚める"までは母のように見えたり聞こえたりはしていなかった。
それが今は、神様、眷属さん、霊たち(「皆」で済ます)がいつもそばにいて話しかけてくるようになり、魂が自分の体から微妙にずれて横から自分を見ていることもあった。そういう時は私の体を使って神様が話していた。
自分の体に起こったこと聞いたことは覚えている。いわゆる霊媒のように、憑依している間に言ったことはまるで覚えていないということはない。
逆に、肉体を離れて神様たちと仕事をしたりしたことは覚えていない。
そして、常に家には「皆」がいて家人と一緒にご飯を食べ、風呂にも入り、私の部屋で会議をしたりしているようになった。私が寝る頃になっても、眠らない「皆」は賑やかに話しているので、イヤホンをつけて好きな音楽を聞きながら眠るのが常になってしまった。それでも3時には一度起こされて、会議の話を聞いたり頼まれごとをする。
時と所を構わず「皆」は話しかけてくるし、やってくる。
仕事に支障をきたすので、私は「皆」と取り決めをした。
○仕事中は話しかけないこと。
○私がOKしない限りは体を勝手に使わないこと。
○私の体を使っている時は人と同等で話すこと。
だから私は神様にあだ名をつけて呼ぶことにしている。うっかり会話を人に聞かれたとしても怪しまれずにすむからだ。
こうして、「皆」と暮らし始めたのだった。
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