彼女が仕事を辞めてから。
のざきゆりこ
第1話 彼女の遺書
「ピーン」と、亜未のスマートフォンから通知音がなる。職場のコミュニケーションツールであるグループチャットアプリ『ホウレンソウ』に新しいメッセージが届いた合図である。亜未はアプリを開き、絶句した。
「私は今日で退職すると共に、この世からも去ることを決めました。因果応報、あの世からお前達が不幸になることを願っています。さようなら。」
亜未の同僚である山田真理子からのメッセージである。
「これは遺書?」
亜未はすぐに山田にメッセージを送ろうとするが遅かった。山田はその遺書とも思えるメッセージを送信した後にグループを退会しており、もう山田には届かない。
亜未はそれに気づき、山田との個人チャットにメッセージを送ろうとするが、もう既にブロックされていた。
「なんで?私は山田さんの相談に共感してたし、ありがとうって言ってくれてた。お前達って、私も?」
亜未が疑問に思っていると、スマートフォンの着信音が鳴る。上司の早見からである。
「さっきの山田さんからのメッセージ見た?今、確認中だから、もうあのグループチャットを使用しないでね。」
早見はひどく慌てた様子で、亜未が返事をする前に電話を切られた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます