第二部 守る者の為に振るえる物
第11話 夜の真実
町を出てから1週間、ルーク達はシンが再び我々の前に現れる事を恐れ、対策を考えるべく新たなパーティーを結成し、旅に出ていた。
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~その日の夜~
ルーク「今日も野宿か」
マイ「そうね、じゃあまた準備しなきゃ」
ユキ「じゃあ、僕は薪を集めてくるよ」
シャイン「俺は周りに魔物がいないから確かめてくるよ」
小さい頃からの仲なので、手際がとても良くあっという間に準備が出来た。
パチパチパチパチパチパチ
火を起こしそこの上に鍋を置く、そこにはクリームシチューがあり、その匂いが皆んなの鼻腔に入りお腹が鳴る
ルーク「腹減ったー」
マイ「ねー」
そう言ってルークはクリームシチューをよそい皆んなの分を分けた
ユキ「はぁあいつがいないと本当に楽だね」
クリームシチューを食べながら、彼女はしみじみ思う
シャイン「そうだなぁ、あいつは何も出来ないくせに偉そうにするからなぁ」
勇者がいた頃は疲れたらすぐ休み、お腹が空いたら用意する、あいつの無茶振りのメニューで
その為料理の出来る4人は、何とかそれをやってのけ勇者が暴走するのを何とか防いでいた
そんな辛い昔の事を思い出しながら食べているとふとルークは思い出す。
ルーク「そう言えば、ふと思ったんだが」
マイ「?..........どうしたのルーク?」
ルーク「まだあいつがいた時に夜こそこそ外に出ていたけど、...........何していたの?」
彼女達は何もしていないので、あいつとの関係はないのはわかっているが、思い出してしまうと、ずっと不安になるので聞いて見る
ユキ「.........ああ、あれね」
シャイン「宿屋での出来事か.......」
何故かその事を聞くと、口が籠る
ルーク「....................まさか」
まさか、本当は!?
マイ「違うの!身体は綺麗よ!........でも」
そう言うと渋々話し始める
マイ「私達は夜、町や村に着いて宿に泊まる時、夜バレないようにこっそり外に出てたの」
ルーク(まぁバレてたけど)
その事を言うと話が進まないので、言わないでおく
マイ「そして.................ウグッ」
そこから言おうとすると気持ち悪いのか、この場所から去り、嗚咽音が聞こえる
ユキ「僕が言うよ」
そう言うが体が震えていて、こんな状態で話せるとは思えない
ルーク「いや.....無理なら話さなくてもいいけど」
ここまで怯えているのに聞くのも、気が引ける、彼女達の気持ちの整理がついたら聞こう
そう思ったのだが、シャインが話し始める
シャイン「性処理だ」
ルーク「え?」
ユキ「オゲェ!」
今の一言が耐えきれなかったのか、思いっきり吐く
ルーク「..........続けてくれ」
シャイン「............ああ」
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~1年前~
シン「んじゃあ、頼むぜ?」
マイ「.........うん」
そう言ってマイはシンの突起物を咥え込む
とてつもなく気持ち悪く、毎度吐きそうになる
シン「あー気持ちー、おら、てめーらも」
ユキ「..........うん」
シャイン「.........わかった」
そう言ってシャイン達は自身の生殖器を見せる、そしてその姿のまま勇者にやれと言われた卑猥な踊りをやらされる、それは言葉では言い表せられない程の女性にとっての苦痛な踊りだった
シン「おお!いい!とってもいいぜ!」
そしてそんな姿をルークに見せたくない、見せてしまってもし拒絶されたら、自分達はもう.....
シン「ふースッキリしたぁ」
そう言ってシンはその場から去る
マイ「う......ウグッ......オエ!」
ユキ「マイちゃん!大丈夫!?」
シャイン「マイ!」
2人は服を着ると急いで駆け寄る
マイ「ユキちゃん、シャインちゃん.........私.....もう嫌だよぉ」
そう言って泣き始める
ユキ「マイちゃん...........」
マイ「あいつの性処理の為にこんな事をやって、今はまだ奪われてないけど.....このままじゃあ...........」
シャイン「大丈夫だ、魔王を倒すまでは俺達の体は大丈夫だ、流石の勇者もそこまで馬鹿ではないはずだ」
マイ「でも.........あいつ、頭おかしいから、いつ戯言が本当になるかわからないよぉ」
シンはマイ達とは毎晩別のホテルで抱いていると思い込んでいる
それは勇者が自分の都合の良いように記憶の書き換えをし、否定する奴らに同じ事をするからだ。
今シンはマイ達とは快楽に堕ちた体の関係で、もう何度も愛し合う仲と思い込んでいる
そしてそれを極端に否定すると、無理矢理
犯される可能性がとても高い、だからこそ
そうならないように、嫌でも我慢しているのだ。
ユキ「ルーク.................助けて...........」
マイ「もう.........逃げたい........もう.....もう!」
シャイン「俺が勇者だったら、あんな奴........あんな奴!」
しかしもう肉体的も精神的限界だった、もしこのまま続けば...................
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シャイン「そして3日後、ルークはパーティーから抜けたんだ」
ルーク「...................」
シャイン「正直に言って何も言わずに去ったお前を許せない気持ちもあるが、それのお陰で俺達は完全に壊れる前に逃げる事ができた。」
パチパチパチパチパチパチ
ルーク「そう.......か」
少しの間を置いてルークが答える
ルーク「...............」
ルーク「すまない」
シャイン「ルーク..........」
ルーク「俺も、限界だったんだ、消えない傷、どんどんと壊れていく体.........」
シャイン「いいよ、言わなくて、これは......もう終わった事なんだ」
シャイン「それに.........」
そう言うとシャインは立ち上がり、ルークの隣に座った
シャイン「こうして、お前と結ばれたんだ、今までの地獄はこの幸せの為にあるってそう思うんだ」
ルーク「シャイン...........」
マイ「........そうね」
ユキ「マイちゃん」
落ち着いたのか、マイが戻ってきた
マイ「ねぇルーク、この話を聞いて私達の事どう思う?」
ルーク「え?」
マイ「私の口はあの屑の物を何度も咥えてるの、それでもキスできる?」
ユキ(マイちゃん、まだ怖いんだこれを知られて拒絶されるのが)
涙目になりながら質問するマイに対してルークは
ルーク「ああ、勿論だ」
そう言ってマイの唇と自分の唇を合わせる
ルーク「俺はマイ達が好きだ、その気持ちは絶対に変わらない」
マイ「ルーク」
ユキ「僕も好きですよ?ずっと」
シャイン「まぁ、好きじゃあなければ、ここまで一緒にいないしな」
マイ「ふふ、そうだね」
ルーク「さーてと、辛気臭いのはもう沢山だ、さっさと食事..................」
この暗い雰囲気を変えようとルークがクリームシチューを見ると
ルーク「...................焦げてる」
マイ「まさかぁ、そんな事.......て......」
ユキ「...................」
シャイン「...................」
火の方をよく見るといつもよりも激しく燃えていた、多分そのせいで焦げてしまったのだろう。
ルーク「クリームシチューって焦げるんだね」
マイ「ねー」
ユキ「お腹すいた」グー
シャイン「あははは.....」
4人(..........本当にどうしよう)グー
その後果物を見つけて何とか夕食を賄(まかな)えた。
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続く
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