第8話 幼馴染み達の過去1 マイ
13年前(マイ5歳)
村の子供1「うわ!化け物がいるぞ!」
村の子供2「俺達でやっつけようぜ!」
村の子供3「やっちゃえやっちゃえ!」
そうやって私は石を投げられる、私が女だとしても関係がない
マイ「やめて!何でそんな事するの!」
そう言ってやめてほしくて叫んでも
村の子供1「なんか聞こえたか?」
村の子供2「いや?何にも聞こえないけど?」
村の子供3「きっと神様がもっとやれ!って言ってんだよ!」
村の子供1「そうだな!よーし正義の為にあの化け物をやっつけるぞ!」
皆「「「おう!」」」
いくら言っても、いくら逃げても私には逃げ場はなかった、今思えばよく生きていたなと思える
それ程までに酷い事をされた
私が何かをした?
いやしていない、ただそこにいただけだ
じゃあ何故やられる?
...........それは私の髪の毛と目の色だ
私の髪は白く、そして目は赤い
ただそれだけだ、それだけで私は化け物扱いを受ける
そのせいで私は部屋に引きこもる事が多く、いつも本を読んでいた
マイ(私もこのお姫様みたいになれたらなぁ)
本の中の世界は私にとっての憧れであり、夢だった。
素敵な白馬の王子様に連れられて幸せに結婚するお姫様、可愛い子供達に恵まれて最高の生活を送る
とても素晴らしく、この時の私にとっての
唯一の救いだった、私にもいつか白馬の王子様に連れられて、この地獄から解放される
そんな事を夢見ていたのだ.............................
決して叶わないと知りながら
私の両親は私を捨てて何処かに行ってしまった。
後でわかった事だが、私の母が不倫をし、それが父にバレ、そして私の姉もそれを知っていて母の加担をしていたそうだ、しかもそれがバレたとしても悪びれるつもりもなく更に
姉「貴方は私達の財布なのw」
母「離婚したくなかったら金を払ってねw」
と言っていたらしく、自分の愛した人をただの金蔓(かねずる)と思っていたそうだ
しかし父は騎士団、しかも騎士団長とも仲が良く、間男をすぐに見つけて、捕まえた
そして恐ろしい拷問で殺した
まず母と姉は大便拷問と言うやり方で殺した
大便拷問とは、文字通り人の大便を食わせる拷問だ、大便の中には細菌やウイルスがおぞましい程含まれている、それを体内にしかも胃に入れる為、様々な病気や感染症を起こし苦しみながら死んでいく。
間男はヤギ責めと言う拷問で死んだ
ヤギ責めとは足に塩水をかけられて塩分を欲するヤギが足を舐めるのだ、それだけか?と思うが、これがやばいのだ、と言うのもヤギの舌はヤスリのような形をしている、そのせいで徐々に皮膚が剥がれてしまう、そして血にも塩分を含む為更に舐める、そうやってどんどんヤギに食われていき、最後死んでしまう。
そうやって私の母と姉は死にそして私は母の血を引くと言う理由で捨てられた
その為私は今孤児院で暮らしている、しかしそこにも私を虐める人達がいるので、私には本の中が全てだった
そんなある日の事、私の目の前に白馬の王子様が現れた
私が久しぶりに外に出ていた時のこと、見つからないようにしていたのだが、部屋から出るときに見られて後をつけられていたらしく、知らないうちに囲まれてしまい、気がついたら逃げ道がなかった
また虐められる、もう嫌だ.................
マイ「誰か.........助けて.......」
涙混じりで助けを求める、しかし
村の子供1「お前みたいな化け物に助けなんて来ねーよ、ばーか!」
村の子供2「ずっと部屋にいたせいで俺達のストレスが溜まってたからなぁ、じっくりと痛ぶってやるよ!」
村の子供3「お前のような奴なんて生きる価値ねぇーんだよ!」
そう言って私に近づき、そして
???「誰かが言ってた」
村の子供1「!?」
???「この世で許せないのは」
村の子供2「誰だ!」
???「力を持ちながら」
村の子供3「出て来い!」
???「他者を蹴落とす事しか考えない」
マイ「...................王子.....様」
???「屑だと」
そう言って現れたのは白馬の王子様......ではなく、普通の男の子だった
その子は苛めっ子3人を前にしても動じず、前に立ち
???「お前ら寄ってたかって1人の女の子を虐めるなよ?何?そいつにしか威張れないほど弱いのw」
彼らの意識を彼に向けさせた
村の子供1「何だと!」
村の子供2「お前も泣かせてやる!」
村の子供3「いくぞ!」
村の子供達は前に出て彼を殴りにいくが
???「ほらほらwこっちだよw」
華麗にかわしていき、隙をついて重い一撃を与えるそれだけで、苛めっ子達は泣き出し、逃げていった。
そして残された私は何が起きたのか分からず、ぼうっとしていると
???「ねえ?君...........大丈夫?」
マイ「!?」
???「ははは、可愛いね!」
目の前に彼が現れびっくりする、そして...........
マイ「...........可愛い?私が?」
理解が出来ない、こんな私を可愛いと言う人がいるなんて
マイ「...........なんで?」
???「?」
マイ「なんで、私の事を可愛いって言ったの?こんな化け物みたいな姿なのに」
そう言って改めて思う、何で私はこんなにも醜いのだろうか.......とすると
???「?何処が化け物なんだ?」
マイ「え?」
???「いやだからさ、何処が化け物なの?普通に見えるけど」
本当に思っているのか?そう不思議に思っているが、突然様々な事を言われて動く事が出来ない
マイ「だって、髪は白いし」
???「雪みたいで綺麗じゃん」
マイ「目は赤いし」
???「キラキラしてるね」
マイ「本当にそう思ってるの?」
???「勿論!」
マイ「ふぇ........」じわ
???「!?」
あまりの嬉しさに涙が出る
???「わわわ!お....おちついて!ね?」
いきなり泣いた事で、泣かしたと思っているのだろう、そうではない事を伝える為にギュッと、抱きつき、一言
マイ「ありが.....とう.......ふぇぇぇぇん」グス、エグ
???「どどど、どういたしまして?」
これが彼との、いやルークとの初めての出会いだった。
——————————————————————
マイ「同じ孤児院なの!?」
ルーク「そうだよ、マイが部屋にずっといた頃に来たんだ」
マイ(だから気づかなかったのか)
ルーク「今日、君の部屋に行って一緒に遊ぼうと思ったら、君の後ろにさっきの奴らがいたから」
マイ「助けてくれたと?」
ルーク「うん」
私達は手を繋ぎながら歩いていた、帰り道に何処に住んでいるのか聞いてみたら、
同じ孤児院に住んでいることに驚く
マイ「..................」じー
ルーク「?.....何か顔についてる?」
マイ「////ううん!何でもないの!」かぁぁぁ
ルーク「そうか」
彼の顔を見ると顔が熱くなり胸がドキドキする
マイ(この感じなんだろう?)
そう思いながら、私は初めて友達が出来た
その日から私の日常は大きく変わった
彼は私の我儘を聞いてくれた、本を読みたいと言ったら一緒に呼んでくれるし一緒に遊びたいと言ったら外に行って色んな所を探検した
苛めっ子達も彼に負けてからは手を出さないでいる
灰色だった世界に色が入り込み、その隣にはいつも笑顔でいてくれる優しい友達がいた
こんな幸せがずっと続けばいいと、彼の隣にずっと居たいと思い始めて
そして気づいた、私はルークの事が好きなんだと、そして思った
マイ(大きくなったら、ルークのお嫁さんになりたい)
と
——————————————————————
続く
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