元合法ヤク中の慟哭
キヲ・衒う
第1話 前提
「合法ヤク中」と強い言葉で当時の状況を表してしまうことをお許しください。
結論からいうと私は睡眠導入剤で幻覚を見る体質でした。
その幻覚はとても言葉に出来ないほど愉快で、あまりにも突飛で、私の思想や物事を見る目すら変えてしまうほどの強烈なものでした。
そして、それは、私にまとわりつく澱のように滞った現実よりもより肉薄していて。
私は幻覚を見るために睡眠導入剤をodするようになりました。
そう、依存の始まりです。
強い依存、幻覚。規制されているような薬物と作用機序は違うと思いますが、それでもこれを「ヤク中」といわずなんと形容すればいいのでしょう。
odをしたあと最大2か月くらいはその間の記憶がほぼ欠落してしまううえに、そのod自体を短い期間に何度も繰り返したりしたのですっぽりと記憶がないところもあります。
それは、自分自身の存在に連続性を感じられなくしました。
途切れ途切れの記憶。
混濁した意識の中で感じ取れたもの。
他人から見たラリっている私。
15歳~21歳までの5年間、薬のおかげでいろいろなものに出会い、自分という存在を失いました。
バラバラになった自分を一から再生するのは難しく、私は自分自身と向き合い、「私」の断片をかき集める作業が必要だと思いこうしてキーを打っています。
入眠剤の副作用で幻覚をみてしまう人間は少ないらしい。
なら見ることができてしまった私が見たものを発信すれば、同じ副作用に悩んだり「これは私だけなのかな、自分はおかしくなったのかな」と不安に思う人とも同じものを共有できるのではないか、そういった思いが湧いてきたのも書き始めた理由の一つです。
それでも、誰にも見てもらえなくても書かなくてはいけないと思っています。
ですので更新はゆっくりですが頑張って書いてみようと思っています。
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