十三小体育館の問題
秋野てくと
放課後、ゲタ箱にて
石山先生に言いつけられていた図書の整理を終え、ぼくがゲタ箱につくころには午後4時をすぎていた。
「おそいぞ。4時には終わると言っていただろうに」
読んでいた本をとじて、彼はじろりとぼくをにらんだ。
ぼくたちの小学校ではスマートフォンやゲーム機の持ちこみは禁止となっている。ただし本は別だった。それが
ところが、である。
たとえ殺人をあつかうようなものでも、探偵が
ぼくが委員をつとめる図書室でもそうだ。
ミステリは子どもが手にとりやすい
「それ、面白いの?」
「っ……面白いかどうかはわからない。ミステリは
「つまらなかったらやめればいいじゃん」
――そこで気づいた。
「
「……走ったからだ。すこし
「ふぅん」
そうしてぼくたちは帰った。
もちろん、そのときのぼくはまだ知らなかった。
彼が今、まさにこの第十三
事件を知るのは、その翌日のことである。
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