The Epilogue Take
第111話 World Processor Ⅰ
「地上は今、大変な事になっているんだッ。アンタが今、「ソレ」と闘やり合ってるって言うんなら、そっちで
「えっ?今何て?それって、どういうコト?」
「——あっ!?しまっ!ガードをっ!えっなにこれ、デブリじゃない……。フェ……イク?」
「やああああああ、がががががががあぁぁぁあぁぁ」
それは焦りの余り掛けた通話だった。マムは突如として発せられた怪光線に因って、大地が灼かれていくのを
地上には
故に地上が灼かれている理由も分からなかった。
あの「目」が
ネットワーク上で憶測が飛び交っているだけだった。
その情報に拠れば各国は、実弾兵器やハンター達に
拠って、国民の避難勧告を優先させた。
既に
そして最後に情報を集めるべく少女に対して通話をしたのだが……。
しかしその最中に、叫び声とも悲鳴とも付かない音声が聞こえて来たのだった。
「あ、マズったねぇ、こりゃ」
「ま、まぁ、そしたらそっちはそっちで頑張っておくれよ」
つーつーつー
「はぁ、こっから先、どうなっちまうんだろうねぇ……ところでありゃ、一体全体何なんだい?まるで、ソドムの火みたいじゃないか……」
マムは状況が理解出来無い上に、
その心境は途方に暮れる以外になかったと言えるだろう。
マムは空を見上げていく。空には不気味な「目」が怪しく光っていた。
そしてそれは、不定期的かつ非周期的に、破壊目的を伴った光を放っている。放たれた先にある市街地からは火の手が上がっているようにも見える。それは少なくとも神奈川国内でない事を祈るばかりだった。
そしてその光が、次はどこを薙ぎ払うのかなんて、予想も見当も付くハズが全くなかった。
こんこん
「開いてるよ、入っておいで」
「失礼致します、マム。国民の避難が無事に完了したと各シェルターより報告が入りました。よって直ちにマムも避難をお願い致します。この建物もいつまで保つか分かりませんので」
「分かったよ。あたしゃ最後まで見守りたかったが、ずっとここにいて
こつッこつこつッ
「じゃ、アンタも付いといで」
「はい、マムの後に従います」
マムは部屋の床を手に持っている杖で叩いた。すると床にポッカリと穴が開き、マムはその穴の中に身を投じていった。
マムに続いてもう1人の女性も穴の中へと入っていく。
そして、部屋には
マム達が穴を抜けると、大きな広間に出ていた。その広間の中では、既に公安の関係者及び職員が役割分担の元に、
この時代、いつ如何なる時に、有事が起こるかは分からない。付け加えれば、いつ
そういった背景を持っている事から、非戦闘員の避難経路は確立され、一定期間避難出来る場所への入り口が神奈川国内のあちらこちらに配置されていた。
神奈川国の地下にある広大な避難場所はシェルターと呼ばれ、そこには武器弾薬を始め、水や食料、毛布やテントといった物までもが配備されている。
シェルターは中央の通路から横方向にいくつもの通路が延びており区画分けされている。よってその先には複数の部屋があり1家族単位で寝泊まり出来るように造られている。
更には中央の道を最奥まで進んで行けば、最終的にはマムが到達した広間に来る事が出来る仕様になっている。
ただ、このシェルターは有事発生などの緊急の際にしか解放されず、それ以外の時は立ち入る事が出来ない。
拠って、この規模のシェルターを誰がどのような方法で造ったのかという建造方法や、普段は誰がどのように管理しているのかといった諸事情は、
シェルターの各部屋にはモニターが複数個設置されており、そこに映し出される映像は地上の様子だ。
避難者達はそこで地上の安否を確認し、地上の安全が確保出来た場合には、速やかに退去する事になっている。
然しながら今、モニターに映し出されている映像は縦横無尽に怪光線が暴れている光景であって、それは、街の被害が
この国で最大強度を誇る公安施設であっても、無事な姿を保っていてくれるかは祈る事しか出来ない。
尚、これと同じシェルターを保有する国は他には無い。その為に他国に於いては数百人規模の地下シェルターを広域避難所としていくつも展開していたり、国民各自で地下シェルターを建造する事を推奨している酷い国も、意外とザラにあるようだ。
要はその国のフトコロ事情を物語っていると言っても過言ではないだろう。
地下シェルター建造は惑星融合の際に、その影響が
更には緊急時に於ける安全対策として、統合演算装置ミュステリオンを経由して各国に呼び掛けられ、実施、実装された経緯がある。ただし、どの規模でどのように実装するかまでは指定されていない。
だから国に拠っては、
話しは変わって、「目」に対する
だから攻撃手段を持っている者は各々が思い思いに攻撃をしていた。
それは、「実弾兵器や魔術を問わず」だった。
それらは等しく効果がない攻撃ばかりだったが、何かをせずにはいられなかったのだ。
拠ってそのハンター達は、「目」から放たれた光によって灼かれた
中には難を逃れたハンターもいたので、上空にいるハンター全てが墜とされたワケでは決して無い。
そして、墜とされなかったハンター達は、その脅威度を充分に理解した上で、各々が持てる最大火力で再び「目」に対して等しく無駄な攻撃をしていった。
効果がない事は目に見えて分かっていた。だがその攻撃を止めるコトは出来なかった。
効果がない事は火を見るより明らかだった。だがその攻撃を止めるつもりは無かった。
率先して
ハンターに拠る攻撃に効果が無いのは確かだった。だが、それらの映像はミュステリオンに拠って拾われ、ネットワーク上にアップロードされていった。
その結果、それらの映像は人々の心に希望の光を
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