第72話 Unique Deceiver Ⅱ
少女が憶えた「違和感」は、デバイスの光点だ。
だが、生き残りはもう発見出来無かった。ここまでの所に見落としがあるハズもない。少女の目は誤魔化せても、
そしてその結果、
生態系上に於ける広義の鬼種に含まれる種全てから、上位亜種として進化する事が出来るのが確認されている。そして、それらの
そして今回、少女の背後に取り憑いていたのは、
「
「我々ニ対話ヲ求メルカ?ヒト種ノ娘ヨ」
「対話を求めたら教えてくれるのかしら?」
「それじゃ試しに聞かせてもらうけど、アナタ達の黒幕は、あのフードの男かしら?」
「アノ方ハ、我ラガ神ダ。我ラノ主ハ、アノ方ニヨリ、偉大ナル力ヲ授カッタ。ソレ故ニ、邪魔ヲスル者ハ排除スル」
「えっ?それじゃ、ここにいる
「答エル義理ハ無イ」
少女は少しでも情報を聞き出すべく会話という手段を取ったが、謎は深まるばかりだった。そして
「そう、それならば話しは終わりねッ!デバイスオープン、精霊石ウィル・オ・ウィスプ、フルバースト」
ぱぱぱぱッ
しゅいーーーーん
しゅばんッ
「ぐぎゃあぁぁあああぁぁぁあぁ」
少女は痺れが回って来ている身体で、闘う事は分が悪いと重々承知していた。
3匹相手なら全力で闘わなければ、痛い目を見るのは自分だと分かっている。
だから不意を打つ為に、持っていた4つ全ての光の精霊石を解放したのだった。
それ程までのエネルギーを持つ光の爆発に対して、少女は「ただで済むハズがない」——なんて事はなかった。
精霊石が引き起こす現象の力は周囲にまで影響を及ぼす。拠って扱い方を間違えれば、使用者本人も巻き込まれるのは当たり前の事だ。
一方で光と闇の精霊石は特殊な精霊石とも言われている。何故ならば、その場にいる者の
少女は光の属性をその身に有している。しかし、
その結果、
今回、少女が使ったのが下位の精霊石「ウィル・オ・ウィスプ」だったからこそ、少女は無傷で済んだ。
逆に上位の精霊石をあのように贅沢に使えば、少女とて無事では済まないのは補足しておく。まぁ、上位の光と闇の精霊石は国宝級なので、そんな使い方は本当に贅沢だし、お目に掛かるコトすら滅多にないのだが……。
「
「ってか、身体の痺れが取れてないわね。
「デバイスオープン、万能薬」
万能薬は
当然の事ながら同様の魔術もあるが、少女はそっち系の魔術は不得手なので万能薬を仕入れており、必ずいくつかデバイスにストックしている。
ローポーションと同じでハンターには必要不可欠なアイテムと言えるだろう。
どごぉぉぉん
「クリスは随分と派手にやってるみたいね?これで後は上にいるヤツらだけだから、様子見がてらアタシも行ってみますかッ!」
「
少女は最上階での爆発音を聞き付けると
まだ見ぬ敵に対する好奇心の裏には、ただならぬ嫌な予感があったがそこには敢えて気付かないフリをしていたのだった。
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