第62話 Terrible Instructor Ⅲ
「そう言えば、「
「救世主様は
「クリスの試験官として、クリスの実力や
「うむ、なるほど。本来は秘する掟があるが、既に目の前で散々使っているしな。そもそももう村の住人ではないからこの際だ、話してしまおう!」
既に少女が見た効果効能は、
武器に宿して
ここまで複数の効果効能を備える
だから改めて聞く事にしたのである。
「
「えっ?それってどういう事?」
「救世主様が見た
「えぇ、そうね。それで合ってるわ」
「そうか。それなら2つとも同じ原理で使われているから、結局は同じ事をしているだけなんだ」
「分かり難いわね」
「簡単に言ってしまうとだな。木の棒を金属の棒に変えるようなモノだ」
「ごめん、クリス。もっと意味が分からないわ。それって簡単に言い換えてないわよ?」
「うむむ。
「いや、それって
「なん……だと?!此の身はそれを信じて使えるようになったのだがッ!」
「あぁ、やっぱり天然なんだわ……はぁ」
その結果として元々のモノが持っている限界値を、改竄したモノの限界値まで底上げするバフを受ける事が出来る……と言う
分かりやすく言えば「木の棒」があるとする。それの属性値は「木」の持つ耐久性を上限としているが、
結果として「木の棒」は見た目こそ「木の棒」だが、中身は鋼鉄よりも硬くなるという
更に限界値を上げる作用によって、ただの「木の棒」が切れ味抜群の刃物にも成り得るという理論である。
これを
更には限界値を上げる事で
それが個人差であり潜在能力と言える。
各
更に言えば技の場合も同じである。技は自分の身に纏った
身体強化という属性値を武器という属性値に変換し、それを放つだけだ。深く考えてはいけない。
「考えずに感じるモノ」……だそうだ。
そしてここからがデメリットの話しとなる。それは「継続時間には個体差がある」という事だ。
「この
「加齢?歳を取るってコトかしら?」
「そうだ。10年で60秒伸びる」
「1年で6秒ってコトでいいのかしら?」
「そ……、そうだな」
「そしたら176歳のクリスは17分36秒ってコトであってる?」
「ッ?!う……、うむ。そのハズだ」
「ねぇ、その時間を使い切ったらどうなるの?例えば1回の戦闘で17分36秒使い切るのと、複数回の戦闘で17分36秒使った場合はどうなるのかしら?教えて、クリス!!」
「こ、此の身も詳しくは分からないのだが、1回で使い切った場合は使い切ってから24時間使えなかったハズだ」
「ふぅん。それなら実験してみる必要があるわね?クールタイムについて知っておく事は重要そうだしねッ!」
「く、クールタイム?なんかよく分からないが、うむ、必要ならば実験してくれ。ただ、痛いのは勘弁して欲しい」
「でも確かに
「ち、チート?なんだそれは?さっきのクールタイムといい、此の身には意味がよく分からないんだが」
「チートは反則級ってコトで、クールタイムは待機時間とでも覚えておけばいいわよ?」
「待機時間はなんとなく理解したが、此の身は反則なんぞしておらぬのだが?」
「ま、
「しゃ、釈然としないのだが。それに種族ガチャ?更に分からない言葉が……」
「要するにね、最初から
「そ、それはその通りだろうな。村は一度も被害に遭ったコトはないからな」
「それは
「そうだったな。確かに幼子が親元から引き離されるのは目に余る」
「えぇ、例えば
「うむ、確かにその通りだ。だから反則級な
「えぇ、そうよ。どこに産まれるか、どんな種族に産まれるかは産まれてみないと分からないんだもの。それが運命とか天運とか呼ばれて、「はい、そうですか」って納得出来る人ばっかじゃないってコトよ!」
「それが種族ガチャなのか?」
「ま、そんな感じよ」
2人が話しに夢中になっている間に、セブンティーンは既に屋敷の近くまで来ていた。
陽の光は既に頂上にはなく傾き始めている様子で、空は青から少しばかりオレンジをトッピングに加えている頃合いだった。
「ところで、お昼ご飯は何かしらね?」
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