第54話 牧場増設・動物実験

 伝説の実を手に入れたカノンは、海中洞窟を飛行船で戻りながら、伝説の実を食べた。

 きゅうり味だから、塩を振りかけて食べたら美味しそうだ。


「ふぅー。これはお腹がキツイです。今度のレベル上げは大変ですね」


 2個食べただけで、両手を合わせた大きさの神樹の星に飽きた。

 ステータスを見る限り、最低でも70個は食べた方が良さそうだ。


【名前=カノン・ネロエスト 種族=人間(女) 

 レベル=30(必要経験値0/1110) 進化レベル=100 HP=720/720 MP=320/320

 力=24 体力=24 知性=28 精神=32 器用さ=20 素早さ=20】


「まずは牧場を増やしますか。経験値がいっぱい必要です」


 カノンは外に出た後に、何をするのか考えている。

 一年後の忘れられた頃に腕相撲を挑んでも意味がない。再戦するなら早い方がいい。

 一つの氷フライム牧場でレベル上げしたら、どうしても時間がかかってしまう。

 牧場を増やすことに決めた。


「あっ! パトラッシュを忘れてました!」


 大きなクリスタル飛行船に帰還したカノンは、岩山の牧場に向かっていた。

 その途中でアイテムポーチに封印したパトラッシュを思い出した。

 死んだフリから、死んだ状態になっているかもしれない。

 急いでアイテムポーチから、アイテムポーチを出していく。


「ふぅー。危なかったです!」

「死、死ぬかと思ったワン‼︎」


 パトラッシュは緊急修復で無事に帰還した。

 二度とアイテムポーチに入りたいとは言わないだろう。


「今度は何処に連れて行くんだフラッ‼︎」


 岩山に到着すると、まずは氷フライムを捕まえていく。

 四角いクリスタルの檻を作って、5匹ずつ入れていく。

 あとはパトラッシュに飛行船に運んでもらう。

 ここでは大活躍だ。


 近場の岩山に第二、第三牧場を作り、50匹ずつ放していく。

 全部で第十二牧場まで作ると、氷フライム牧場作りは終わりだ。

 あとは増えるまで待って、経験値を収穫するだけでいい。

 

「はぁー、疲れました。今日はここに泊まりますか」

「クゥーン」


 牧場作りは夜までかかった。

 疲れたカノンは安全な飛行船の中に泊まることにした。

 父親に怒られる朝帰りだ。でも寝る前にやることがある。

 神樹の星を明日までに、もっと食べないといけない。


「はい、パトラッシュも食べてください」

「クゥ~ン」


 カノンは自分だけ頑張って食べるのが嫌だ。

 100個の山盛りの神樹の星をパトラッシュにあげた。

 パンは克服したが、果物という名の生野菜には抵抗がある。


「好き嫌い言ったら大きくなれませんよ」

「ク、クゥ~ン」


 だけど無理矢理に口に押し込まれていく。

 その結果、パトラッシュのステータスに変化が現れた。


【名前=パトラッシュ(オス) 種族=魔犬 損傷率=0%

 レベル=30(必要経験値0/1110) 進化レベル=45 HP=492/492 MP=185/185

 力=92 体力=92 知性=55 精神=55 器用さ=55 素早さ=74】


「あっ、やっぱりです! 動物にも効きました! ドラゴンにもあげないと!」


 動物実験が成功して、カノンは喜んでいる。

 飛行船から出て、豪邸に隠れている巨大トカゲの元に向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る