第46話 暁彦キレる 2

「はぁ――――」っと大きくため息をつき、サブマスに掛けた威圧を消す。


「………分かりました。二階ですね」


 サブマスの身体が急に、楽になって動きと呼吸が楽になると暁彦に此方へと声を掛ける。


「で、で…コホ…は、こちらです」


 サブマスが、咳き込むのを無視して暁彦は

サブマスの後ろを付いて歩き、二階の執務室の前で止まるとサブマスが部屋の扉をノックする。


【トントン】


「ギルマス、ハミルです。昨日、冒険者登録に来ていたアキヒコ様が、おみえに成りましたので。お連れ致しました」


 やっ、やけに丁寧だなおい!最初からそうしろよ、揉めなくて済むじゃねえかよ全く。


「おっおう、入ってくれ」


 中にいるギルマスから、入室の許可が出たので執務室に入る。そして、部屋の中で待っていたギルドマスが丁寧に俺に向かい挨拶をしてきた。


「やあ、昨日は失礼したね?大変申し訳なかったよ。話しを君から聞きたいのだが、良いだろうか?」


 頭を下げて改めて話をしたいと言うが、俺は納得してないからな!


「…その前に、ギルド長様?」


「なっ何ですか?」


 敬語になってるよ(笑)


「ここのギルド "も!" 個人情報は、他人に話しても良いんですかね? 俺はここ来る前に、別の町に立ち寄った冒険者ギルドで、冒険者の登録が出来なくてね?なので、わざわざこの町に登録しに来たのに。“また”ですかね? ギルドって組織は、こんなに屑な組織ですか?」


「く、屑!だと!」サブマスが怒鳴る。


「オメー、此方が大人しくしてりゃ、餓鬼が舐めやがって!」


 ギルマスが、俺を餓鬼と言って脅して来たぞ…。


「はい! ここもアウト」


「「あ、あう? アウト?」」


 聞きなれない、言葉を二人が聞いてポカンとする。


「フン!そうやって怒鳴れば良いですよねぇ~。子供に怒鳴れば、大人しく謝ると思ってる。舐めてるのはどっちですかね?安易に人の情報は喋り、登録しようとしたらインチキだと怒鳴り、脅そうともされて。挙げ句に、胸ぐら掴んで殴り掛かろうとされる。どっちが舐めてますかね?教えてくれませんか?ね、ギルドマスターさんとやら」ちくしょー!


 ギルドマスターとサブマスは暁彦に詰められて、思わず自分の態度に"はっ"とする二人だが…。


「す、すまん。 だがまて、前の町も? なんだそれは?」 


「それならば、親切な俺が丁寧~に、お二人に教えて差し上げますよ。フフフ」

(馬鹿丁寧な喋りでな!)


「前の町、えっと何て言いましたか!ねぇ~?そうそう、思い出しました。マリシュと云う町でしたよ!そこのギルドに寄ったんですよ、冒険者登録をしにね?そしたら、どうされたと思います?ギルド長様?」


 冷たい目でギルマスを見る。


「え!えっとだな……その、もしかして?」


 あら?分かった?でも外れだよ!


「そこのサブマスさんが、とってもイイ人でね?いきなり凄い形相して出てきて、人の話しも聞かずに俺に向かってインチキだと抜かし、殴り掛かって来ましたよ。あれにはビックリですよねぇ~?私は、なにもしてないのに、ですよ?いきなり胸ぐら捕まれそうになって、それを避けたら、今度は怒鳴り散らされて興奮した様子で、唾を撒き散らして私の顔を見れない顔に殴って、死んでも冒険者登録が出来ない様にしてくれると。この様に、ご教授頂きましたよ。揚げ句、そこのギルドマスターとやらも、出てきましたが。全く取り合って貰えず、サブマスの言葉を卯のみにされて、俺の事を確かめもせずに私を追い出すような事されたんで。こちらからお断りをして町を出たんですよ」


 わかりますか?と問いかけて、二人の顔を睨らんだ。


「「…………………………………………」」





 ほんとに悔しいよねぇ~。



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