二重生活
連喜
第1話 中学生をナンパ
俺は中学生男子と同居する変態男だ。
でも、実際は何もしてないし、すごく健全に暮らしている。
一方で家庭を持ちながら、実はロリコンで獲物を探し続けている人がいる。
社会的にはこういう人がまともと言われて、俺は落伍者扱いだから、納得がいかない。
夕飯を食べている時、同居人の中学生が言った。
「今日、サラリーマンにナンパされちゃった」
彼は精神疾患があるが、勉強はできて、有名中学に通っている。
「え?何それ」
俺は世の中には色んな変態がいるもんだと思った。
「今日、駅を歩いてたら、〇〇中学?って聞かれて・・・。制服着てるから、『はい』って言ったら、〇〇先生まだいる?って聞かれて、色々喋ってたら、連絡先聞かれた」
「で?教えた?」
「うん」
「なんで?そんなイケメンだった?』
「うん。すごくかっこよくて、いい人そうだった」
「中学生をナンパしてるようなのに、いい人なんていないよ」
「そうかなぁ」
「今すぐ連絡先消せ」
「え。でも、、、」
「でもじゃない!そいつと付き合いたいなら、出てけ。ブロックするんじゃなくて、早く消せ!俺の目の前で!」
俺は腹が立った。当然じゃないか?
「なんでそんなに怒るの?」
「お前が知らない男に話しかけられて、そいつと喋って、連絡先教えたからだよ。ゲイなんて所詮、やることしか考えてないんだ」
「でも、学校の先輩なんだよ」
「本当かわからないだろ?そんなの、ネットでいくらでも調べられる」
中学生はなぜ怒られるのかわからないようだった。渋々連絡先を消した。
「君にはがっかりしたよ」
俺は腹が立ったから、飯を食ってすぐ3階に上がってしまった。中学生は1階を使っている。一緒に寝ているわけではない。色々事情があって預かっているけど、もう実家に戻そうかなと思っていた。俺のことを好きだと言いながら、他所で浮気しているようなクソ野郎を家に置いてやる筋合いはない。
そしたら、しばらくして中学生が謝って来た。
「さっきはごめん。もう、知らない人に連絡先教えたりしないから」
「俺は別にいいよ。君がしたいようにすれば。その代わり出て行ってもらうけど」
そしたら、静かになった。階段を下りていないし、まだ廊下にいる気配はあったが、何も言わない。俺は気になってドアを開けると、そいつが泣いていた。
「泣くなよ」
「ごめんなさい」
「もう、知らない人に話しかけられてもついて行くなよ。公園かトイレで掘られるだけだ。君がやりたいならいいけど」
「僕のこと嫌い?」
「いや・・・別に。不用心だと言ってるんだよ。君はそんなにやりたいの?」
「違うよ・・・」
中学生は泣いた。言い過ぎだと思うかもしれないけど、この子はそういう子なんだ。
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