神と邪神の喧嘩に巻き込まれた男が異世界に放り込まれて無双する物語。

モンド

第1話 プロローグ

「後2年で定年か、そして20年もすればこの人生も終わるのか。」


男はどんよりと雲が覆った空を見上げて1人つぶやいた。


 男は中村 主水 58歳 中堅会社の万年係長と言う肩書きで無為に生きているリーマンの1人だ。


家族はいるが会話はない、休みはあるが暇を潰すような趣味はない。

知り合いはいるが友はいない。そんなつまらない人生を嘆く覇気も既にない男は、

ふと渡りかけた横断歩道の上で右を見た・・・車!。


 意識が鮮明になって周りを見ると何も見えないいや感じない。何処だ?そう思った。


すると頭に

「ここは生と死の狭間の世界、貴方は先程地球での人生を終えました。」

と響いた。


思わず声が聞こえた方向に振り向こうとした。


いや何処から声がしたか分からないのだが兎に角体を動かしたかったのだ、

・・・しかし首どころか自分の体がわからない。


また声が聞こえた・・・いや感じた。

「肉体はすでに消滅し魂としてここにいます。

悔いの残る人生を過ごした貴方に一つ提案があります。

別の世界で悔いを尽くしてはみませんか?」


・・・貴方は・・神ですか?


自分の考えを読んでいると思われる相手を神と仮定して呼びかけてみた。



「はい、私は貴方が考える神と言える存在です。」

と答える。そこで・・私の新しい人生は赤ん坊からですかそれとも・・・


そこまで考えたところで答えが響く

「どちらでも、ただ命の軽い世界です赤ん坊の場合安全に成長できる家庭に生まれますし。

青年からなら1人で生きられる力を与えてからになります。どちらでも構いません。」

と。

今の私には赤ん坊からの人生は耐え切れないかもしれない、それならある程度の歳からの方が

いいだろうそう考えると。


「分かりかした貴方を16歳の青年として転生しましょう。スキルは・・・そうですね、これとこれをそして・・・これを。何か要望はありますか?」


突然に話を振ってくる神(?)。

・・・命の軽い世界か。

・・・1人で生きるためには成長が早い方がいいだろうそれと耐性が欲しい。

毒や魔法に物理的な攻撃に耐えられるような・・。


ここで声が響く

「確かにそうですね。それと初めての世界で困らないようなスキルや道具を。

・・・はい準備できましたそれではあたらしい人生を。」

と頭に響くと意識が沈んだ。




ーー  生まれ変わった世界




 鳥の声で意識が覚醒してきた。

鳥の声なんていつ以来だろう・・・そこまでかんがえたところで目を見開いた。


 周りを見渡す、そして自分を見る。

鬱蒼とした森の中そんな場所の私は横たわっていた。


そして身体が若返っていた!まだ顔を確認していなが髪の色が・・・銀髪?



立ち上がり服を見ると見知らぬデザインで丈夫そうな服。

靴は革靴?革手袋?肩掛けカバン?どう言う設定だ・・・

いやいやそんなことより此処はどこだ!俺は誰だ!そう僕は誰なんだ?




 「ガサガサ。」

何かが草を踏み分けながらこちらに近づいてくる。


 「ガサ。」

・・・コイツはなんだ? 

緑色の子供?いやあの邪気に染まった顔は・・・ゴブリン?



そいつは手にした棍棒を振り上げ俺に殴りかかってきた!


直前で身体を引いてかわす、続け様に棍棒を振り攻撃する邪悪な生き物。



 何度かの攻防の後私はタイミングを崩される。

『危ない』思わず両手で棍棒を防ごうとするが、これから襲う痛みを考えて目をつぶってしまう僕。



何かがクロスした手に物が当たる感触の後、「カーン」と乾いた音が聞こえる。


目を開けると棍棒が跳ね返って驚く邪悪な生き物の困惑した瞳と目が合う。


思わず右足を振り出し間合いを開けようとする俺。

「ドーン」恐ろしい音と共に後方に吹き飛ぶ邪悪な生き物そして頭に響く声。

「経験値が上がりました。レベルが上がりました。」


「スキル体術1を獲得しました。」

「スキル硬化1を獲得しました。」

「スキル見切り1を獲得しました。」



その声を聞いて思い出した僕、私、俺!


自分が誰なのかわからない、ただあそこで新しい人生を生きることを受け入れたことだけは覚えている。


「自分は誰だ!」

そう呟いた時目の前に不可視時な画面が現れた!


ステータス


 名前 なし  16歳  男  人族(?) レベル 3

 HP(生命力) 1000(+500) MP(魔力) 1000(+500) SP(精神力) 1000(耐性大)

 速さ 1000(+500) 力 1000(+500) 攻撃力 1000(+500)

 防御力 1000(+500) スキルポイント 10+初回ボーナス500+500

 スキル

 体術1 硬化1 見切り1 言語3 全耐性3 魔法全属性  鑑定3

 ユークスキル

 成長促進大   魔力操作大   MP回復大  HP回復大   無限収納


これが俺?自分?僕?私?・・一人称が定まらぬ名前も決めないと。



どこかで顔を確認してからか、そういえばコイツは何だ?

と思うと、


[ゴブリン、オス、レベル5、スキル 嗅覚小  聴覚小  棒術1]


と表示された。そして


[スキルを獲得しますか?](はい、いいえ)


と表示された。


・・これは他人のスキルを獲得できると言う意味では?


(はい) を意識すると


[嗅覚小  聴覚小  棒術1 どれにしますか?]


と表示。


ここは慎重に選択しなければ。


いくつ選べるかわからない。今一番使えそうなものを指定しその後次のものを指定してみよう。


[聴覚小]を意識すると色が反転そのまま[棒術1]を意識するとそれも反転。


そのまま[嗅覚小]を意識すると反転しなかった。


・・・ここでは二つ選べるようだが総数が決まっていた場合困る。


・・・ここは聴覚小を選び直して意識すると。


[スキル 聴覚小を獲得しました。]


と頭に流れた。



その場を後にして水辺を探す。

耳を澄ますと遠くで水のせせらぎが聞こえる。そこに向かい歩くこと30分小川にたどり着いた。

周りを警戒しながら水面に近づくとシルバーの髪をした美少年がいた!


「これが俺か・・・。」


水を一口掬って口に入れる・・・旨い。

鑑定でも[上質な飲水]とあったが確かに上質だ、名前をどうしよう・・・。

シルバーの髪、美少年、転生者・・・シルバー で良いか性は、グリンアース。

俺の名は シルバー=グリンアース これで良い。

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