第1話 イブの夜、始まりの夜
305 名無しさん 20XX/12/24(土) 17:54:20.12 ID:bhQniFTJg
クリスマスイブの夜に恋人とデートにも行かず、こんなスレに張り付いてる負け犬いる!?いねえよなあ!?
309 名無しさん 20XX/12/24(土) 17:55:38.05 ID:pGwbrN8S9
超特大のブーメランがそっち戻ってったぞ
339 名無しさん 20XX/12/24(土) 17:59:54.31 ID:WtQpmbpx4
そういえば今日の昼くらいにまた雨降ったらしいな
無名の配信者が配信中に襲われて、同接が普段の3000倍になったって話題になってた
347 名無しさん 20XX/12/24(土) 18:00:37.18 ID:9kS8Td6LS
3000倍www
元の数めっちゃ少なそう
369 名無しさん 20XX/12/24(土) 18:02:44.25 ID:t8dW45NwM
じゃあRainは金髪碧眼美少女じゃなくて小汚いおっさんで決まりじゃん
クリスマスイブに予定ないってことでしょ?
377 名無しさん 20XX/12/24(土) 18:03:52.32 ID:NAtWLf3ia
いや、普通にVRゲー内でデートしてんじゃね?
よく聞く話じゃん
390 名無しさん 20XX/12/24(土) 18:04:20.17 ID:xpc9EXYsZ
えー、いくら現実と感覚変わらないっていっても所詮バーチャルでしょ……
現実でデートした方がよくない? それとも今の子の間ではそれが普通なの……?
394 名無しさん 20XX/12/24(土) 18:05:39.10 ID:N77H2BQ9n
これだからおっさんは……
403 名無しさん 20XX/12/24(土) 18:06:06.06 ID:縺セ縺溷、画鋤縺励◆縺ェ
始まった。
415 名無しさん 20XX/12/24(土) 18:07:03.14 ID:hEMjQUZcg
いや何がやねん
夜のニュース番組でも始まったんか?
420 名無しさん 20XX/12/24(土) 18:07:32.14 ID:Jt29F2rdN
はいはい陰謀論陰謀論
429 名無しさん 20XX/12/24(土) 18:07:59.84 ID:VH8SrmTKx
触らずNGだと何度言えば
436 名無しさん 20XX/12/24(土) 18:08:05.10 ID:n3bhBd3CT
自治厨きも
752 ゆりこ 20XX/12/24(土) 18:19:30.28 ID:rbffULJCa
ゆりこといいます。初めて書き込みます。
すみませんが質問させてください。
これから同棲している彼氏と夜景の見える高級フレンチレストランへクリスマスデートに行く約束をしているんですが、VRゲームをやっているようで肩を叩いても反応がありません。
8時からの予約なので、そろそろタワマン(分譲です)を出ないと彼の外車でも間に合わなくなりそうです。
どうすればいいでしょうか?
755 名無し 20XX/12/24(土) 18:19:49.56 ID:XE4mYsXNU
ゲームかデートか天秤にかけた結果なんじゃ?
759 名無し 20XX/12/24(土) 18:19:57.10 ID:2anJdw43g
なぜ人は質問とは無関係の情報まで無駄に語ってしまうのか
762 名無し 20XX/12/24(土) 18:20:14.68 ID:hEMjQUZcg
そんなのも分からんやつがなんでこんなところで聞くねん
釣り針でかすぎやろ
789 名無し 20XX/12/24(土) 18:22:55.30 ID:NAtWLf3ia
>>752
マジレスすると青く光ってる電源ボタンの近くに強制切断ボタンあるからそれ押せ
852 ゆりこ 20XX/12/24(土) 18:29:41.12 ID:rbffULJCa
ゆりこです。
教えてもらったボタンを押したら電源が消えたので、ゲーム機?を外してみたのですが彼が起きません。
もしかしてからかわれているのでしょうか。
もう付き合って8年になるのでそろそろ結婚も考えていたのですが、彼がこんなことをする人だとは知りませんでした。
でも別れたくありません。どうすればいいでしょうか。
867名無し 20XX/12/24(土) 18:31:20.17 ID:hBiXRbYUB
100パー釣りだろうけどマジだったらアレじゃん
ゲームの中に閉じ込められるやつ
875名無し 20XX/12/24(土) 18:32:05.49 ID:C5Mu4a3xg
今子どもがやってるんだけどちょっと怖くなってきた。
そろそろ夕飯だし様子見てこようかな……
◆ ◆ ◆
「ったく、一昔前に流行ったデスゲームものじゃあるまいし」
馬鹿らしくなってイスの背もたれに体を投げ出した俺は天井を仰ぐ。
こんな時代遅れの掲示板サービスが、もはや残っているのが奇跡ともいうべき遺物なら、そこに常駐する人間もまた生きた化石のような存在たちだ。
昔はこういった“釣り”が盛んに行われ、住人たちも投下される内容がウソだと分かったうえで便乗し娯楽の一つとしていたらしい。
まあ、当のゲームから一線を引いた身で入り浸っている未練だらけの俺も大概だが、なんとも暇なやつらだ。
「さて、そろそろ飯の準備でもするか」
冷蔵庫の中身を思い出しながら部屋を出る。
買い物は明日行くとして、場所を取ってる作り置きから消費していくことにしよう。
それから賞味期限の近い卵が何個か残ってたから、それも今日使っちゃって――
「おい環、飯にするぞ」
廊下を歩きがてら、隣の部屋の主に一声かける。
反応はないがいつものことだ。
どうせ俺のヘッドギアを使って流行りの動画でも見てるのだろう。
念のためもう一度声をかけ、少し強めにノックをしてから扉を開ける。
「……」
暗い部屋の中で、ヘッドギアの青い電源ランプだけが煌々と輝いていた。
それをつけてベッドに横たわっているのは雨宮環。
俺――雨宮玲の妹だ。
「おい、聞こえてるか」
そんな環の肩を二回叩いてからそう呼び掛ける。
ヘッドギアはVRワールド内での動きを実際の体に反映させないようバーチャルとリアルの感覚を遮断しているため、このままでは何を言っても伝わらない。
しかし、リアルの体にこういった刺激があればバーチャル内で警告が出て、外の様子をモニターできるというわけだ。
プロゲーマーが対人VRゲームの試合中、じゃれついてきた飼い猫によって警告が発動し、どアップになった猫のお尻に視界を覆われ逆転負け……なんて動画が定期的にバズっているのを見る。
「なんだ、動画じゃなくてゲーム中か?」
一瞬さっきの掲示板の書き込みを思い出したが、そんな馬鹿なと鼻で笑い飛ばす。
きっと動画を見ている最中に寝落ちでもしたのだろう。
反応が無いのを確認してから
「アボート押すぞ。大事なところだったって後で怒っても知らないからな」
少し待ってから溜め息を吐き、強制切断ボタンを押す。
青い電源ランプが消えたヘッドギアを取り外し、おい、と再び声をかけながら体を揺らす。
「……」
しかし、それでも環は反応しない。
どんなに深い眠りについていても、ここまでされれば普通は呻いたり刺激から逃れようとしたりするものだ。
そう、これではまるで――
「待てよ、ウソだろ……!? ちょっ……そんなことがあってたまるかって……!」
あの馬鹿げた書き込みの通りのことが、自分の目の前で、現実に起きている。
焦りつつ、そしてこの期に及んで妹のイタズラであってくれと祈りつつ、少し強めに頬を叩いて再度呼びかける。
「おい、環! おいって!」
分かっている。
こいつはこんな冗談で済まないイタズラをするやつじゃない。
「クソっ!」
慌てて環の部屋を飛び出した俺は、自分のスマホを引っ掴み迷わず緊急通報をコールした。
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