第44話 日笠と一緒にいざジムへ!⑥

「い、いやいや! そ、そんなの大丈夫ですよ!」

「いやいや、遠慮しなくていいぞ? 部活でも試合後とかによくマッサージとかして貰ってるじゃん?」

「いや、それは同性だからして貰ってるというか、流石に先輩にマッサージをしてもらうのは恥ずかしいというかその……」

「あ、そっか……そうだよな……男の俺に触られるのとか不快感があるよな……ごめんな、日笠」

「っ!? い、いえ不快感があるとかそんな事では決してなくて!! むしろうれし……じゃなくて全然不快感はありません!」


 日笠は焦りながらそんな事を口走ってきてくれた。


「あぁ、なんだ。 それなら良いじゃんな? それに俺も部活の先輩とかにマッサージとかしてるから上手い方だぞ? だから疲れてる日笠のためにマッサージをさせて欲しいんだ……駄目かな……?」

「う、あ……は、はい……そ、それじゃあ……お願いします」

「よし、わかった! それじゃあすぐそこのフリースペースでやってあげるよ!」

「あ、は、はい、わかりました」


 という事で俺は日笠と一緒にフリースペースの方に向かった。 フリースペースに到着するとマットが置いてある場所に日笠をうつ伏せになるように寝ころばせた。


「よし、それじゃあマッサージをしていくぞー」

「は、はい、おねがい、します……!」


―― むにゅ……


「んぁっ……んん……」


 俺はまずは日笠の太ももを触り始めた。 うん、しっかりと筋肉がついていて、それでいて女の子らしい柔らかさも兼ね備えている……うん、これは良き太ももですね! 120点ですね!!


―― もみ……もみ……もみ……


「んっ……あっ……んん……」

「どうだ日笠? 痛かったりしないか? 大丈夫か?」

「んぁ……は、はい、だ、大丈夫で、す……」

「そっか、それなら良かった」


 日笠の言葉を聞いて俺は安心しながらまた日笠の太ももを揉みもみとしていった。 ……するとその時……


「……っ!?(ぞくっ……)」


 するとその時、また俺の背筋がゾクっとしだした。 どうやらまた今この瞬間に俺は不特定多数から視られているようだ。


(よし! かかった!!)


 俺は心の中でそう叫んだ。 俺が日笠にマッサージをしてやるといきなり言ったのには理由があった。 それはもちろん……ジムにいるお姉さん達に“俺”という存在を教えるためだった。


―― もみもみ……もみもみ……


「んっ……あっ……ふっ……ぁ……」


―― もみもみ……もみもみ……


「んん……! ぁっ……はぁ……んぁ……」


 いや、もちろんだけど俺がめっちゃムラムラしてるから日笠の足を触りたかったってのも理由の一つでもある。 だけど日笠の足を触ってるだけでは俺のムラムラは発散出来ないからな。 ってかむしろさらにムラムラが増してくるばかりだし。


 でも今の俺にはこのムラムラを処理する方法は何も存在しないんだ。 自宅に帰らない限り自家発電なんて出来ないわけだしさ……


 それならいっその事、次回俺がジムに来た時にお姉さん達が俺にちょっかいをかけやすい状況を今のうちに構築しておいた方が今後の俺のためになるよな……って事で俺は大衆の面前で日笠にマッサージをしてあげているんだ。


―― もみもみ……もみもみ……


「あっ……そこっ……きもち、い……あぁっ……!」


―― もみもみ……もみもみ……


「んん……! ぁっ……あんっ……んん……!」


(す、すご……お姉さん達からめっちゃ見られてるわ……!!)


 こうする事で、もし俺と仲良くなる事が出来れば気軽にスキンシップとかしちゃう系男子ですよー、なんならお姉さんのマッサージとかも喜んでしますよー、というのを実戦形式で周りのお姉さんに見せつける事にしたのだ。


 そしてこの光景を見ているお姉さん達は次回俺がこのジムに一人で来た時に、ワンチャンを狙いにお姉さんの方から俺に話しかけてくるかもしれないじゃん? これこそが俺の狙いだった。俺はお姉さん達の都合の良い男になりますよーと暗に宣伝をしていったんだ。


「よし、終わり! どうだった? 気持ち良かったか?」

「は、はい……そ、その……凄く気持ち良かった、です……」

「そっか、それなら良かったよ。 それじゃあ……もう片方の足もやってあげるよ」

「……え?」


 という事で俺は日笠のもう片方の足もしっかりと揉みもみしてあげていった。 よし、これで次回一人でジムに来た時にはえっちぃお姉さんをしっかりと釣りあげてみせるぞ!!

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