第37話 ゲーマーな地雷系女子の美玲ちゃん②

「うーん、まぁそうだなぁ……とりあえずちょっと気にはなるから一応このチラシ貰っていってもいいか? ってか俺他の部活に入ってんだけどそれでもいいの?」

「うんうん、もちろんいいよー! 他の部員の子にも運動部と掛け持ちしてる子いるから全然大丈夫だよー」

「あ、そうなんだな。 その子も一年の女子なの?」

「うん、そうだよー。 何かね、知り合い(?)とゲームを一緒にやりたいって事で最近ゲーム始めた子なんだけどね、センスめっちゃいいんだー。 ボク達の中で一番上手いんだよ、その子ー」

「へぇ、運動部の部活と掛け持ちしてるのにそれは凄いなー。 うん、それじゃあ俺も時間ある時に部活見学とかさせて貰ってもいいか?」

「おー、それはすっごく嬉しいなー! うん、是非是非! ゲーム大好きなお兄さんとかボク達大歓迎だからいつでも来てねー! あ、せっかくここで会ったのも何かの縁だしさー、まだ時間あるようだったら良かったらゲームの話とかしようよー」

「え? 今からって事?」

「うんうん、そうだよー! お兄さんに時間があればで良いんだけどさー」


 その地雷系の女の子はそんな提案をしてきた。 うーん、それにしても何だかグイグイと来る女の子だな。 まぁグイグイ来る系の女の子は大好物だから全然良いけどさ!


「あぁ、いいよ。 俺も普通に女子とゲームの話とかしてみたいしさ」

「おっ! やったー! それじゃあさ、あそこの自販機前のベンチで話そうよー」

「あぁ、うん、わかったよ」


 という事で当初の目的だった自販機で目当てのコーヒーを購入し、ついでに後輩の女の子にもジュースを奢ってあげた。 そして飲み物を買い終えた俺達はそのまま一緒にベンチに座った。


「ジュースありがとー、お兄さんって凄く優しいんだねー。 あ、忘れてた、改めて自己紹介するねー。 ボクは霧島美玲って言うんだ。 高校一年生だよー」


 そう言って目の前の地雷系女子はようやく名前を名乗ってくれた。 というか今更なんだけどこの子ってボクっ娘なんだな。 この地雷系な見た目と甘い喋り方に追加してボクっ娘とか相乗効果がありすぎて何だかめっちゃ可愛く見えるな。 元の世界だったら普通にアイドルとかやってそうな気がするわ。


「趣味はもちろんゲームだよー。 あとは時々ユーチューブでゲーム配信とかもやってるよー。 もうすぐ銀盾貰えそうなのがちょっとだけ自慢かなー」

「え、もうすぐ登録者10万人いくの!? いやめっちゃ凄いじゃん! ゲーム配信だけでそんなに登録者増やせたって霧島は凄いセンスあるんだな」

「あははー、ゲーム配信だけじゃないよー? 他にも色々な配信してるよー??」

「へぇ、そうなんだ? 例えば他にどんな配信してるの?」

「んー?? ふふ……w それは今は秘密かなー? お兄さんともっともっと仲良くなれたらいつか教えてあげるよーふふ……」


 霧島はちょっと含みのある笑みを浮かべながらそんな事を言ってきた。 え、そんな人に隠すような卑猥な配信でもしてんのか? もしそうなら絶対に視聴したいんだけど……まぁ今すぐには教えてくれそうもないので、それについて言及するのは今は諦める事にする。


「そっか、それじゃあ……まぁ仲良くなれるように頑張るわ」

「うんうん、よろしくねー、あははー。 それでー? お兄さんは何て言うお名前なのー?」

「あぁ、そういえばすっかり忘れてたな。 俺は倉橋葵、高校二年だよ。 改めてよろしくな霧島」

「うん、よろしくねーお兄さん。 ……うん? あれ、倉橋って……?」

「うん? 俺の名前がどうかしたのか?」

「んー、どっかで聞いた覚えがあるような気がするんだけど……うーん、どこだっけなぁ……」


 そう言いながら霧島は腕を組みながらうんうんと唸り声を上げていった。 どうやら霧島は俺の名前を知っていたらしいんだけど……でも一体何処で俺の名前なんて知る事があるんだ? 俺は後輩で仲の女子なんて日笠くらいしかいないぞ?

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