第29話 後輩の日笠と食事タイム②

「ち、ちなみにですけど、どこら辺のジムに行こうと思ってるんですか?」

「え? あぁ、えっと、ちょっと待ってな……ほら、ここだよここ」


 日笠は俺が何処のジムに行こうとしてるのか気になっているようなので、俺はスマホを取り出してそのジムのホームページを開き、その画面を日笠に見してあげた。


「へぇなるほどー。 あ、最近新しく出来たジムなんですね! 何だか雰囲気良さそうなジムですね!」

「あぁ、そうなんだよ。 それにここのジムは駅から降りてすぐの所にあるってのもだいぶポイント高いよな」

「あぁ、確かに駅から降りてすぐの場所にあるのは最高ですよね。 それだと学校帰りとかに行きやすくて良さそうですね」

「そうそう。 部活とかバイトが無い日の帰宅途中にブラっと通えるのはありがたいよな。 そんでやっぱり俺みたいな客層に人気があるらしくてさ、ここのジムを利用してる客層って結構若いらしいんだ。 ホームページに書いてある情報を見る限りだと10代の学生~30代の社会人がメイン層らしいんだ」

「へぇ、そうなんですね!」


 という事でここのジムではトレーニングで体を鍛えつつ、若い女性の健康的な体を合法的に眺める事が出来るという施設になっているのだ。 いやそう考えると今の俺にとって一番理想的なジムだよなここ。


「しかもこのジムって駅前に建てられてるのにかなり広いんだよな。 だからトレーニング設備や最新器具とかもかなり豊富らしくてさ、体を鍛えるにはめっちゃ良さそうなジムなんだよ」

「へぇ、そうなんですか? あ、ホームページにちゃんと施設内のマップも載ってるんですね! どれどれ……って、うわ本当だ! このジム施設めっちゃ広いですね! ……って、えっ!?」


 その時突然、ジムの施設マップを見ていた日笠は大きな声を出して固まってしまった。 一体何事だろうと思って俺は日笠が見ていたスマホの画面を覗き込んで見た。


「どうした日笠? んー、どれどれ……“温水プール”? へぇ、こういうのもジム施設に入ってるんだな」


 俺はその施設マップを見て温水プールがジムに備わっている事を今知った。 いやここのジムは設備が本当に充実してるな。 これは人気もめっちゃありそうなジムだな。


「え? せ、先輩がもしこのジムに入会するとしたら……こ、ここのプールも利用するんですかね?」

「え? あー、まぁそりゃあ利用出来るものは全部利用していきたいと思ってるよ。 月額料金を払うわけだしさ」


 それに女性の水着姿とかを合法的に眺められるんだったら、この温水プールは是非とも利用させて貰わなきゃだよな。 しかもここのジムは学生とか若い層がメインで利用してるって書いてあるしさ。 これはちょっと楽しみだな。


(あ、でも……)


 そういえばこっちの世界の男性用水着ってどんな感じなんだろう? 確か鹿島さんに俺の胸を揉ませた時は顔を真っ赤にしてたから、多分こっちの世界だと男性は胸見せるのNGなんだろうな。 という事は男性の水着は競泳水着みたいな全身用の水着が主流なのかな? いや俺そんな水着持ってないんだけど……ま、そんなのはいつも行ってるスポーツ用品店で買えばいっか。


「な、なるほど、そうなんですね……う、うーん……」

「うん、どうした? ……あっ、ひょっとして日笠もジムに興味ある感じか?」

「え? あ、あぁ……えっと、まぁそんな感じですね、あはは」


 そう言うと日笠が何だかモジモジとしてきだしたので、俺はジムに興味があるのかと思って日笠の事も一緒に誘ってみる事にした。


「お、そうなんだ。 それじゃあさ、良かったら一緒にこのジム行ってみないか?」

「えっ!? わ、私もですか??」

「あぁ、今なら1週間限定のお試しコースってのもあるらしいからさ。 もし少しでも気になってるようなら一緒に行ってみないか?」


 もし日笠が一緒にジムに来てくれたら、俺は日笠の水着姿とか拝められるようになるわけだよな? いやそんなんどう考えても俺のトレーニングの質が一気に向上するからめっちゃありがたいんだけど。


「そ、そうですね……そ、それじゃあ……は、はい、私も先輩と一緒にジムに行ってみたいです!」

「あぁ、わかった。 それじゃあ早速だけど、次の部活がない日に一緒に行ってみようか?」

「は、はい、わかりました!」


 という事で日笠も俺が行こうとしているジムに一緒に付いてきてくれる事になった。 これは次の部活のない日が来るのが非常に楽しみになってきたな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る