カピバ=ランヴォルギーニャ

カピバラ

第1話【我こそはカピバ=ランヴォルギーニャ!】


 フハハハ……


 フハハハハハハ! 我こそはカピバ=ランヴォルギーニャ! この地球の生きとし生けるものの頂点に君臨したい齧歯類のキング


 そんな我は今日も日々働く! いつの日か、地球を支配してカピバラで埋め尽くすために!


「おいこらカピバラこのやろお〜ぅ⤴︎? サボってねぇ〜⤵︎でよ↑、とっととゴミ捨て逝って来いや⤴︎⤵︎〜ぁっ↑」

「す、すみませんのだっ、藻部原モブ原さんっ! すぐに行って来るのだ!」

「あ⤴︎⤴︎ん? 誰がモブじゃ⤴︎〜あ↑! このクッソドブネズミ⤴︎〜が!」


 畜生、畜生、ちっくしょぉぉぉん!


 今に見てろなのだモブ原! 世界を征服した暁には奴隷としてこき使ってやるのだ。楽には死なせんぞ、なのだ。

 そもそも何なのだ、あの不快極まりない謎トーンは。あんな奴がバイトリーダーとは、やはり人間は見る目がないのだ。


 言い出せばキリがない程に不満はあるけれど、このクソ人間界で生きるには、こうして働くしかないのだ。人間だけなのだ、こんなに働いて、ルールに縛られて、息苦しい中で生きているのは。


 ドMか!


 よし、ゴミ捨て完了なのだ。

 ……お、今日はもう上がりの時間なのだ、帰ったらお風呂に柚浮かべて入るのだ。それだけが我の楽しみなのだ。

 さて、タイムカードを——ガシャ、ビー。

 無事にタイムカードを押したのだ。これで今日は自由の身なのだ。我を縛るものは、


「おいこ⤴︎らカピバラ何勝手にタイムカード押しとん⤴︎じゃ⤵︎⤴︎〜ぁっ↑っ?」


 隠しコマンドかな? のだ


「モブ原さん、我、今日は二十一時までのシフトですから、のだ」

「野田とかNO〜だとか、ど⤴︎でもい⤴︎ねんっ! その二十一時からのバイト↑がっ、デートで遅れ⤴︎る↑っらしいから、おめ、そいつ来⤴︎るま⤴︎で↑おってくれ⤴︎⤴︎〜ぅぇ〜⤵︎⤴︎んやっ!」

 ピローン!

 ジャジャジャジャッジャンジャーン!


 隠しキャラ、我やん、のだ……


 畜生、畜生、ちっくしょぉぉぉん!


 オボエテヤガレ、ニンゲン!


 我はカピバ=ランヴォルギーニャ! 世界の頂点に君臨する者!


 フハハハ……フハハハハハハ! ハーッハッハッハー! 




 ※ラストまで働きました

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