第4話バイセクシャル

あれは、高校二年生の修学旅行の時。

男子部屋で布団に入り、翌日の観光先をパンフレットを読んでいた時、男の子が布団に入ってきた。

「ちょっと、原口、狭いんだから」

「狭い方がいいの」

「どういう事?」

「好きな羽弦君と密着出来るから。あぁ~、いい匂いがする」

僕は、何の気無しに原口の頭を撫でていた。


すると、周りは、

「かわいい、いずみちゃんがいるのに、男子にも興味あるのか?両刀使い!」

「は?オレ興味ねぇよ!原口は特別なんだ。なっ、原口」

「うん」

「羽弦。さてはお前か?」

「何とでも言え!」

原口はゲイで有名だった。僕も知っている。

原口は孤立していた。だから、修学旅行は一緒に行動した。


彼女の耳にも、僕にはバイセクシャルの疑いをバカどもが入れたら

「うちの彼氏、変人だから当たり前じゃん」

バカどもは、一蹴された。

そして、原口は僕に言う。

「修学旅行、羽弦君とでスッゴく楽しかった、ありがとう」

ま、原口が楽しんだら、それでいい。

未だに、アルバムを開くと思い出す。

僕も、楽しかった。

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