キモデブの僕が、美少女婚約者たちと辺境開拓スローライフ 〜オホホ王女、無双令嬢、ツンデレ義妹の美少女三人が婚活神の天啓で婚約者になっちゃいました! 宝石がザクザク出てきて国民四人から始まる経済大国!?

花咲一樹

第1話 婚活神が決めたお相手は? ―1

『人に喋ったら殺すわよ』



 隣の席に座る美少女から渡されたメモにはそう書かれていた。


 隣に座る女子生徒の名前はシルフィ・ツンデーレ。ツンデーレ男爵家の長女にして、学校でトップスリーに入る美少女だ。


 そして僕はリオン・ツンデーレ。ツンデーレ男爵家の三男である。


 つまり僕とシルフィは兄妹。と言っても義兄と義妹の関係だ。


『もちろん誰にも言いませんよ』


 僕の太った丸いお団子のような手でメモにそう書き、シルフィに渡した。




 シルフィの母親は僕の父の後妻で、シルフィは連れ子だ。歳は同じだけど、僕の方が三ヶ月ほど誕生日が早いから、僕が義兄となった。


 さて、なぜ義妹から殺人予告にも似たメモが手渡されたのか。それは先ほど講堂で行われた『婚活神サセタ・イ・ケッコーン様の天啓の儀』が原因だった。




 この学校は婚活神サセタ・イ・ケッコーン様を崇める教徒が通う学校だ。


 そして卒業を控えた、十六歳になる年に行われる『婚活神サセタ・イ・ケッコーン様の天啓の儀』で、神の啓示によって婚約者が決定するのだ。


 僕の義妹に降りた婚約者の名前はリオン・ツンデーレ。つまり義兄である僕の名前だった。


 シルフィは僕の事が嫌いだった。まあ、僕を懇意にしている人は誰もいない。百キロを楽に超えるデブで、男爵家の三男では旨味がまったくない。


 そんなキモデブの義兄が婚約者ともなれば、それはそれは、僕を殺したくなるのも仕方のないことだろう。


 シルフィをチラっと見ると、僕の視線を感じたのか僕を見つめ、『殺すよ』的な殺気を帯びた視線で睨まれた。





 婚活神サセタ・イ・ケッコーンは貴族に人気で、平民には不人気な神様だ。


 理由は簡単で教会のお布施レートが、めちゃめちゃ高いのだ。最低でも金貨一枚。平民にしたら半月分の生活費だから、平民は信仰する事はほとんどない。


 ならばなぜ貴族に人気なのか。しかも恋愛相手を神様に委ねる程の対価とは。


 それはギフトを貰える事だ。有益なギフトを持つ貴族は上級貴族として伯爵以上の爵位を狙う事ができる。


 僕みたいなキモデブの男爵家三男にもワンチャンあったりするのだ。


「ヨウ、キモデブゥ、お前なんかでも婚約者はいんのかよ」


 僕の事を心配してくれる友達?が二人、僕の席にやってきた。


「可哀想になぁ、こん中のどのブスちゃんだぁ、やっぱりおデブちゃんかなぁ」

「ギャハハ、キモデブくんの婚約者なら、やっぱりキモデブちゃんか豚デブちゃんだろ!」

「「ギャハハハハハハハハ」」


 彼らは僕への興味から他の事が気になったのか、隣の席に座るシルフィに視線を動かし、そしてツインテールの女の子、金髪の女の子へと視線を動かした。


「しかし、うちの学校の三大美少女と結ばれたヤツは誰なんだ?」

「オメェじゃねえのは確かだな」

「「ギャハハハハ、まぁ俺らも無理だけどな!」」


 彼らは「がっくし」と肩を落とし、垂れて自分の席にトボトボと帰っていく。


 僕は彼らと同じように、ツインテールの女の子、金髪の女の子を見ながら「はぁ〜」とため息をついた。



 どうしてこうなった?


――――――――――――――――――――

6/24 お詫びと引っ越しのご連絡

 新連載した【キモデブ】ですが、新規で【異世界】カテゴリーに引っ越しします。


 改稿していたら【ラブコメ】のカテゴリーエラーになってしまいました。【ラブコメ】読者様で、【異世界】でもいいよ、と言う方は宜しくお願いします。


タイトルも以下に変わります。


【ヨシ、国を買おう! ―魂が異世界転移したらキモデブだった!?魔法の使い過ぎで激ヤセしたら三人の美少女婚約者が急に優しくなったよ!神様からのクエストで辺境の森に行ったので秘密国家を作ってみました。】


↓リンク 範囲指定 長押し 開く で飛びます


https://kakuyomu.jp/works/16817139555907663915


 基本コンセプトは変わりませんが、異世界転移要素と、ザマァ要素が加わりました。


 宜しくお願いします。



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