他人事のように、一言

弦冬日灯

アイオライトに輝いて

 アイオライトに輝いて。

 深海の色を言ってみて。

 寿の夢を叶えてみて。

 貴方はそこで何を見る?

 金星の歌はマムシ色。金塊の琴は錆の色。

 腐食は払拭、服飾を粉飾。私の顔は何の色?

 パラノイアの毒をまぶして、比色と柄杓と顰蹙を。

 聞こえる音は、君の音。涙を拭う、手を拭う。

 マントルに指を立てたら、コンロのレンチを軽く捻る。

 カーマインの心を消して。

 コロニーのママに一礼をして。

 貴方のいる色を探す。

 赤でも青でも黄色でもない。

 赤くて青くて黄色い色。

 笑顔を食べてもわからない。涙を浴びてもわからない。

 貴方はどこ?というばかり。ここにいるよ、と聞くばかり。

 奏でる歌は、サソリの歌。

 貴方の耳に届くかな?貴方の耳に届くかな?

 貴方の歌も聞きたいな。貴方の声も聞きたいな。

 貴方は何色?聞きたいな、聞きたいな、聴きたいな。

 貴方貴方貴方貴方。

 赤でも青でも黄色でもない。

 貴方を探して、ようやく見つけて。

 貴方の色を見つめたとき。

 それが恋だと知ったとき。

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