終悼礼餐
伊島糸雨
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終わりの足音が、遠くからやってくる。
それはゆるやかな破滅で、変えようのない結末だ。万物に等しく訪れ、老いて朽ちるものを摘み取っては、新たに何かを植えつけていく。予感を与え、不安を育て、都市の檻を諦観で満たし、私たちを飼い殺す。
重苦しい肉体を引きずりながら、呪いに満ちた世界を空虚な隣人とともに歩んでいく。運命とは逃れ得ぬもので、生を受けたその瞬間から、この身の内に宿るものだ。
延命を為し、人を繋ぎ止め、喪われた過去と信仰のまやかしに、私たちは沈んでいく。
与えられた役割に沿って、平坦で凡庸な習慣を定められた通りに循環させる。教育と儀式によって鈍磨した心を、隣人の声で慰めながら、社会の延命を為すために、私たちは生かされる。
ねぇ、マリナ。
もし、あなたが私の神様なら。
どうか、私を憎んでよ。
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