自分の嫌な性質

真田 侑子

自分の嫌な性質

 私は神経質です。

 正確には、神経質「だった」。


 病院やお店にあるボールペンが触れない。外出先で椅子に座る際は汚いので浅くしか座れない。化粧水や美容液のボトルの並びは決まっている。部屋の掃除をして常に綺麗にしていなければならない。姿見は必ず裏返して置かなければいけない。筆入れの中身の順番と向きを固定しなければならない。気心知れない人の手料理は食べられない。調理の際の動きの順番が決まっている。


 その他、諸々。


体調を崩して「出来なくなった」から、「やらなくていいか」になった部分も、今はたくさんあります。

また、気にしすぎて自分の負担になるため、意図的に「やらないようにしよう」とやめたことも多々あります。


 外出先でも気を遣うことが多く、とにかく疲れます。

 気を遣いに遣って、疲弊して、いいことなんて一つもありません。

 神経質でいて、得することはそんなにありません。しいて言うなら、部屋がきれいに保たれることくらいでしょうか。

 本当に、それくらいなものです。


 疲れるだけの性質なんていらない。

 今は体調の面で「できない」が増えたからいいものの、また体調がよくなったらきっと私は神経質な人間に戻ってしまうのでしょう。

 神経質な人間には、もう二度となりたくないのに。


 そうなってしまうことが、怖くて仕方がありません。

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自分の嫌な性質 真田 侑子 @amami_ch

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