[六日目 09時45分・現実世界]

画面をみながら、藤川議員はほっと息を吐いた。


「これがロウちゃんの言っていた最後のアンケートかな?」


「おそらくな。しかし穴だらけの仮説だ。『運営』からの返事も特に目新しい文言があるわけではない。もしかしたらまったくの見当違いなのかもしれない」


官僚は慎重だね、と苦笑すると、藤川はかたわらに控える秘書にやさしく声をかけた。


「ありがとう、峰岸ちゃん。君がいてくれたおかげで、俺たちは霧の中を進むことができたよ」


秘書は静かに一礼した。


「あて、あとは三人の帰還か……」


議員は視線を画面へと戻した。


「待つことしかできないというのは、なんとももどかしいものだね」

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