ショートショート『変身!』

「変身!」


俺は今日もこの町に潜む怪人と戦う。


「変身!」


怪人は普段人間に擬態して生活している。それは変身できる俺にしか分からない。


「へん身!」


怪人の声は俺だけに聞こえる。今こうしている時も怪人の不気味な笑い声がする。


「変しん!」


今日はクモ怪人と戦った。ヤツめ呑気に公園で昼寝なんかしてやがった。ヤツを倒した直後、やっと警察が来た。やれやれ、警察ってのはいつも遅い。だから俺が頑張ってこの町の平和を守らないといけない。


「へんしん!」


先日のクモ怪人との戦いの傷が癒えない。ヤツめ死に際に俺の体に卵を産みつけやがったみたいだ。傷跡からヤツの子供が湧いてきやがった。くそっ!


「へ〇‪✕‬ん!」


ヒーローは孤独だ。必死に悪と戦っても感謝はされない。だがおやっさんは違う。おやっさんは俺にヒーローへと変身する力をくれた。さらに今日、俺の為に強化アイテムもくれた。これを使えばもっとパワーアップできるらしい。おやっさんのためにも今日も俺は怪人と戦う。


「‪‪▲んgv?ん!」


凄い!おやっさんにもらったこれを使えば俺はもっと戦える!


「alsV):eん!」


怪人は人間に擬態している。隣の部屋に引越してきた夫婦。あいつらは怪人の親玉が俺を殺すために近づかせた怪人だ。あいつらは毎日俺を殺すための作戦を話している。俺には分かる。怪人め、殺られる前にやってやる。


「_#/mv?u(s/ohrzih8!」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・□ね。





「・・・本日未明、マンションの一室に男が押し入り、その部屋に住む会社員の○○さんとその妻▽▽さんが刺され死亡する事件がありました。男は複数回にわたり覚醒剤やコカインを使用した形跡があり、逮捕当時もまともに会話ができる状態ではなく、現在も警察による取り調べが続いています」


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