-22- 文化祭、再び
木村にとっては、2回目の文化祭が始まった。木村は、今回は動画は展示せず、文化祭準備期間の美術部部員の様子を撮影した写真を展示した。大量の、生き生きとした表情の写真が壁一面に並ぶ。
部長が、顧問に言った。
「木村、文化祭準備期間になって急に俺たちの写真を撮り出して。ま、俺らも記念になるからいいかと思ったんですけど、まさかこんな力作になるとは思いませんでした。」
「木村って、本当は人間が大好きだったんだな。そういえば、佐藤を撮ったやつは、結局上映しなかったんだな。」
「それもなんか怪しいんですよね。あの二人って、結局どういう関係だったんでしょうね。あ、そういえば木村、美術部やめるかもしれないって言ってました」
木村の母が、美術部室のドアを開けて入ってきた。
「木村健の母ですが。顧問の先生でいらっしゃいますか?」
「はい。」
「と、部長です。」
「うちの子、カメラ持ってるか寝てるかで。普段何してるか全然わからない子なんですけど、こんなに表情豊かな写真が撮れるんですね。」
「自慢の部員です。」
「木村はモテますしね。」
「え?」
「余計なことはいいから。ゆっくり見ていってください。」
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