第20話 行政崩壊
なぜ日本に男性がいなくなったのか? 日本政府が腐敗しまくったからである。
語り部は私こと最強女子が語らさせていただきます。
2050年に日本は行政崩壊を起こした。それに至るまでの経緯は簡単である。日本の政策が老人のための政治になっていたからである。
そもそも政治とはなんぞや? っていうことを簡単に説明する。
政治とはお金を集めて分配すること。
集めたお金を老人のために使ってしまった日本には未来が無くなくなってしまったのだ。
少子化はどんな問題を起こしたのか?
お金を集めて配ること。それが政治である。
子どもが産まれないとお金を集める民衆が減ってしまう。
だから1人ずつのお金の吸い上げ金額を増やす。
1人ずつのお金の吸い上げを増やせば結婚して子どもを産んで家庭を作る資金が無くなってしまう。だから誰も結婚しなくなる。
そういう悪循環が続き、さらに少子化が加速する。
でも政策は変えられない。なぜなら政治は多数決だからである。老人のための老人による政治は多数派の老人が勝ってしまうのだ。
だから日本はドボン真っしぐらに突き進んだ。
日本の政治は腐敗して、誰もドボン真っしぐらを止めることはできなかった。
だけど県や市レベルでは、なんとかしようと動いていた。
若者に住みやすい市や町にしよう、と動いた市町村があったのだ。
ある場所ではカジノを誘致して外資のお金を市に落とすような構図を作った。そして法人税を下げて外資系の会社を呼んで来ようとしたのだ。
お金が集まると、その市では独自の分配をすることができた。老人だけではなく、若者にお金が回すことができたのだ。
それに外資系の会社を集めることによって雇用を作り出したのだ。日本の未来を市レベルで守ろうとしたのだ。
だけど、そう簡単には問屋は卸さなかった。その頃にはすでに日本は老人大国になっていた。日本を守ろうと動いた市町村は老人という壁にぶつかって潰された。
それでも動き続けた、その市町村を私は好きである。
だから私は敬意を込めて関西弁を使った。
それでは行政崩壊とはなんぞや? を説明したい。
お金を集めることができなくなり、政治ができなくなった。簡単に言えばコレである。
日本は必要なところにお金を分配することができなくなってしまったのだ。
まずは医療崩壊。保険制度で負担できなくなり病気や怪我でも多額の金額を払わなくてはいけなくなった。
若者不足による血液不足も重なった。
日本は血液が不足した。だけど血液を必要とする人が多く、需要と供給が合わなかった。
出産すると血液が流れてしまう。
つまり出産には多額のお金と大きなリスクがともなった。
ちなみに血液を作ろうという研究はされていたらしい。結局は血液不足には間に合わなかったけど。
そして教育が崩壊する。
教育こそが国そもものである。
教育が崩壊すると子ども達は学ぶことができず、まともな大人になることができなくなった。
教育崩壊の兆しは教師達の悲鳴から始まった。経費節減のため人員は削られて教育の現場がブラック化する。
ブラック化した場所には優秀な人が集まらず、日本の教育が劣化していった。
学校の治安が悪くなり、それにともなって社会の治安が悪化していった。
警察や消防の人為削減もあり、日本の治安の悪化を止めることができなかった。
悪いことをしても、誰も止める人がいないのだ。
そして子どもを作ってはいけない国、日本が完成したのだ。
そして日本から子どもがいなくなった。
そこで日本に導入されたのがクローンシステムである。
子どもがいないのなら作ってしまおう、ということになったのだ。
優秀な遺伝子のクローンを作り、優秀な人間を残して国を再建しようとしたのだ。
だけどクローン技術はうまくはいかなかった。なぜなら男性を作り出すことができなかったのだ。
クローンシステムで作れたのは女の子だけだった。
それじゃあ男性と交配すればいい。だけど、その頃には日本に交配できるような若い男性はいなかった。
そしてクローンシステムは世代が進むにつれ、遺伝子が劣化していくことが判明した。
1世代目のクローンの平均寿命は60歳近くもあったのに、世代を重ねるたびに10歳近く寿命を減らして行った。
そして今では日本人の平均寿命は20歳である。
次の世代には平均寿命は10歳になると予想されている。もう少しで日本人は滅びてしまうのだ。
男性がどこから発掘されたのか?
冷凍庫からである。
行政崩壊する前に日本政府は日本人をコールドスリープさせていた。
だけど冷凍保存するような人間は優秀な人材ではなかった。
過去の日本で生きることができなかったゴミクズを日本政府は冷凍保存していたんだろう。
コールドスリープをする決断ができたのは、誰にも必要とされていなかったからだろう。
それでも貴重な男性だった。
現在の女性と交配して、子どもを産むことで日本人の絶滅を回避しようとしているのだ。
私の目的は日本人の絶滅を防ぐことだった。
冷凍保存から目覚めた男性は、子どもを産むために交配させた。
だけどストレスを与えすぎたせいか、1年未満でほとんどの男性は死んでしまった。
最後に残ったのがキモデブである。
嘔吐してしまいそうな見た目だった。
それでも貴重な男性である。
彼を死なせないように、ストレスを与えずに交配してもらうために私は学校を作った。
私は学校の総責任者だった。
学校の生徒は男性を含めて100人である。
学年ごとに1クラスしかいない。彼は2年のクラスに入学させた。
彼と同じクラスの女の子達は優秀な人材の中でも、さらに優秀な人材である。つまり一軍だった。
1年は二軍である。
そして3年が日本人の絶滅を防ぐために作られた国家機関である。
私は男性と交配したくないけど、他の女の子達はそうじゃないみたいであった。
遺伝子レベルで男性と交配することが組み込まれているのか、寿命を延ばしたいのか、みんな男性を求めた。
ちなみに私は女の子が大好きである。触ると柔らかくて、恥じらいがあって、可愛らしい。
決して女の子にイタズラがしたいから時間停止エチエチ大作戦を考えたわけじゃない。男性を欲情させるために考えたのだ。
だけどコレを思いついた時に私は考えたのだ。
訓練とて女の子達を触ったり、舐めたりすることができるんじゃないか?
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