愛なんて不定形

強風に散る花弁を眺める。窓に打ち付けられた雨粒がつくる模様を指でなぞる。大きな音が嫌いで、だから雷が嫌いで、けれど稲光が好きだった。傘に反響する雨音が好きだった。かき消されてしまうほど優しい声に「ごめん、聞こえない」と返すことが好きだった。蔑ろにした自分を愛す。愛なんて不定形。

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