第四話 起きたら千五百年後

 真っ白な空間にふかふかのベットが一つ、ぽつんとある。ふかふかな布団がモゾモゾと動き起き上がる。スゥーと目の前に移動して来たパネルには、見慣れない数字が二箇所に表示されていた。



 神歴 千五百年



 アルバ王国 一年



 脳内に疑問符が生まれた為、目を閉じて再度確認するようにパネルを見た。


 「おはようございます。起きたら千五百年後でした」


 声に出しても理解出来ず、自身で解決することを放棄し、神界に精霊王を呼び出した。




 『お久しぶりです、創造神様』


 呼び出した精霊王は、百九十程の長身の青年で白を基調とした衣褌きぬはかま姿に左右非対称の白髪という姿。


 「精霊王は変わってないね。ところで、世界は変わった?」


 『はい。創造神様が眠りについて千五百年程経ち、人族が初めて国を作りました』


 パネルの表示通りに千五百年が経っていることを渋々といった感じで認めた僕は、下界に降りることを告げた。


 「はぁーーー…寝て起きたら千五百年過ぎてて実感がないけど、アルバ王国だっけ?ちょっと行ってみるよ」


 『ではまず、お姿を決めましょう。そして服装や武器・防具などの装備、持ち物も決めると良いでしょう』


 「そうだね。その後にスキルかな?」


 精霊王と一緒に、下界で違和感が無いような姿を目指して決めた後、スキルを決めていった。



 「ステータス!」


 名前 アース

 種族 人族(神族)

 年齢 十二歳(千五百歳)

 属性 全属性

 スキル 鑑定・言語理解・念話・料理人・薬師・農家

 アビリティ 空間認識



 「これだけあれば大抵のことは出来るでしょ」


 僕が満足そうに呟いたことに微笑んだ精霊王は精霊界へ戻り、僕はアルバ王国へと繋がる道に降り立った。ここから僕の人生・・が始まる。そう思うと嬉しさが込み上げて来て、走る速度は増し昼頃に王国へと辿り着いたのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る