第二話 次の日の教室で
次の日。
その日はやけに教室が騒がしかった。まだ廊下にいる僕にも教室のざわざわとした色々な声が聞こえてくる。そして僕が教室に入ると視線がバッ!といきなり僕の方に向いた。
僕がしばらくその様子に戸惑っている間も、皆は僕を見ながらなにやら話をしている。やがてその中の一人の女子生徒が僕の前に来てもじもじとした様子で口を開く。
「えっとぉ…鶴見くん、あの噂って本当?」
「…噂って?」
なにやらこの状況はその噂によるものらしい。しかし僕はこんな騒動になるような事には全く身に覚えがない。噂とはなんのことだろうか。
「あの子と付き合ってるって噂のこと」
「え…?あの子って?」
「うちらのママこと鞠ちゃん!」
「…え?」
「え?付き合ってるんじゃないの?」
これはどういう事だ?俺はよく分からない中、何とかその場を誤魔化した。
そして朝の喧騒もそのまま、昼休みになった。僕はいつも通り教室で飯を食べようとするが、
「ねぇねぇ、鞠ちゃんは二人っきりの時はどうなの?」
「二人はどこまでいったの?」
この通り質問に囲まれて、飯も食べれたものじゃない。僕が困っていると突然、教室の扉が開いた。別のクラスの生徒も噂の真偽を知りに質問しに来たのだと思ったが、そこにいたのは渦中のもう一人である鞠だった。彼女は臆する様子もなく、教室に入ると人混みをかき分けて僕の机の前まで来る。
「そう先輩!一緒にご飯食べに行きましょう!」
「…色々聞きたいことあるけど、とりあえず行くか」
「じゃあ先輩方!そう先輩をお借りしますね!」
そして彼女は僕の手を引き教室を出る。僕たちは教室を出ると、教室からはドッとみんなが何かを叫ぶ声が聞こえた。
「鞠?どうしてこうなった?」
「まぁまぁ、取り敢えず屋上まで行きましょ?」
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