第15話 この現象



古城三鳥




ウチの高校の女子学生である。クールで近寄り難い雰囲気を出しているが、男子達にはこっそり人気らしい。


そんな彼女が、こっちをじっと睨みつけながら、お婆さんの朝食を口に運ぶ。



「あの・・・この現象って何なの?」



古城は、尋ねる。


「・・・さー」


最初、古城は俺がこの現象を引き起こしていたんじゃないかと疑っていたみたいだが、もちろんそうではないので、否定する。


「睡眠の質が向上するアレのおかげじゃ・・・」


「そんな訳ないでしょ」




確かに二人とも同じ夢を見て、毎回同じ場所に飛ばされるなんて現象聞いたこともない。



重苦しい空気が漂う。

普通に考えて、こんな場所に毎晩飛ばされたら恐怖でしかないよなぁと思う。



「・・・でも、ココ良い所だよな」



それ!



「ここすごく景色が綺麗で建物も雰囲気あるし、オシャレだし、空気も澄んでるし、料理も美味しいし!」


その話から、急に古城は饒舌になり始める。学校でのクールで無口なイメージとは想像もつかないほど早口だ。



「ヨーロッパ旅行って調べたら、20万円、30万円飛ぶらしいし、こんな経験させてもらえるなんて感謝しかないわ!」



わかる



その会話の熱量に押されて俺も饒舌になり始める。


ここホント良い所だよな、ほら昨日撮った写真


「いい・・・私だってこれ」


「すご、それどの辺?」


そんな事を話している間に、気づけばお昼になっていた。


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