僕はイケメンでモテモテだけど何故か好きな女の子と結婚できないよ!

Peeping Dom

第1話 モテモテな僕の初恋💔

 自分で言うのもなんだけど、僕は村一番のイケメンだ。何しろ、僕のパパは村一番の美男子で、ママは村一番の美女である。美男美女の間に生まれた僕がイケメンなのは当然である。

 僕はイケメンだから、とうぜん女の子にモテモテである。いつも女の子たちに囲まれている。年上のお姉さんや、おばさんたちだって、みんな僕に夢中さ。


 女の子は、みんな僕のことが大好きさ。僕だって女の子のことが好きである。将来は、女の子たちの中の一人と結婚するのさ。しかし、女の子にもてすぎるってのも大変だよな。読者の君達には判らないだろうけど。


 あの娘も可愛いし、この娘も可愛い。よりどりみどりだ。ああーどこ娘にしようかな?

 本当に迷う。


 ある日、ものすごく可愛らしい娘を見つけた。こんな娘いたっけな?

 初めて見る娘である。なよっとしていて、そこはかとなくはかない。なんだか守ってあげたくなる。村一番の美少女かも知れない。

 声を掛けてみよう。話の切出し方を考えていたら、向こうから声を掛けて来た。


「あの~チャラ介君、一緒に遊びませんか?」

「うん、一緒に遊ぼう。でも、君は誰だっけ?」

「ぼくのことわからない?」

 ものすごく女の子っぽい物腰なのに、「ぼく」っ子なんだ。そのギャップも堪らないな。


 一緒に遊んでいて、とても楽しい。僕は彼女の名前も、彼女のことを何も知らない。でも、彼女は僕のことを何でも知っている。こんなに、可愛い娘のことを僕が気が付かないことはない。まぁでも好いや。今が楽しければ何でも好いんだ!

 やがて日も暮れて来た。もうお家に帰らなきゃ。でも、僕はモテる男の子である。僕が帰る前に、彼女をお家まで送りとどけなくては!


「君、家まで送っていくよ。ところで君の名前は?」

「チャラ介君、まだ判らないかな?」

「意地悪しないで教えてよ。名前が判らないとプロポーズできないじゃないか?」

「チャラ介君、ぼくと結婚してくれるんだ。嬉しいよ」


 お話をしながら一緒に歩いていると、着いたのは友達のカヲル君の家の前だ。


「送ってくれてありがとう。ここまで好いよ」

「あれ、ここカヲルの家だぞ。君はカヲルのお姉さん、妹、それとも従姉妹なのかい?」

「ぼくだよ。ぼくはカヲルだよ!」


 この国では未だ男同士の結婚は出来ない。なので、カヲルとの結婚の夢は儚く潰えてしまった。それでも、カヲルとは無二の親友になれた。女の子の友達は沢山いるけど、男の子の友達は始めてかもしれない。

 カヲルは女の子の格好すると、女の子よりも可愛い。あんなに可愛いのに、何で結婚しちゃいけないんだよ?


 他の結婚相手を探すことにしよう!

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