はろうぃーん
「トリックオアトリート!」
「ねむい……」
「トリック!!!!! オア! トリート!!!!!」
「わかった、起きるよ、おねーちゃん……」
ハロウィンの季節です。とは言っても、田舎住みのしろがねにとってはなんでもない日々です。スーパーに行った時にカボチャの飾りがあるなぁ、という程度で、それ以外は特に何の変哲も無い日常が続いております。ハロウィンだからどこかのお祭りに行く……というわけでもなく、今日は明け方まで作業した後、病院で色々と質問をされてきました。
近況報告も兼ねて書くと、どうもしろがねは「てんかん」ではなさそうです。
じゃあなんなのか? という話ですが……お医者さん曰く「解離」の可能性が高いとのこと。簡単に言うと、しろがねの場合は過去のトラウマが積み重なった結果、強いストレスがかかると頭をフリーズさせる防衛反応が働くようになっている、ということです。
とりあえず、生活リズムを整えて朝型にするために、決まった時間にメラトニンのお薬を飲む生活になります。その間はできることをちょくちょくやっていこう……
「トリックオアトリートです、おとーとくん!」
「わかったよ、ちょっとまっててね……」
白い布きれで"おばけ"のコスプレをしたおねーちゃんがさっきからお菓子を要求しております。しょうがないなぁ、と家の中でお菓子がありそうなところを探してみますが……
「むっ、この辺にあったはずのチョコレートがない……?」
背中に視線を受けながらも、別の所を探してみます。
たしか冷凍庫の中にアイスが入ってたような……
「あれ……?」
「おとーとくん……」
はっ――
うしろに、おねーちゃんの気配!
「ざんねんだったね、トリックだよ……♡」
あっ、ちょ、ちょっとまって、あ、あーっ、あ――――――――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます