第4話異世界
どれ位だったろうか…
だけど、やけに長いキス。
その後、男の唇が理久の唇からそっと離れた。
理久のファーストキスは、突然、何の予兆も心の準備も無く、あっという間に奪われた。
「なっ!何する!」
理久が珍しく声を荒げると、男が全く意に関せずと跪いたままくすりと笑うと、急に立ち上がる。
驚いた理久は、一瞬逃げようとしたが
、すぐ男に軽々とお姫様抱っこされた。
「行くぞ!理久!」
手足をジタバタして抵抗する理久に、男は全く影響されず微笑んで言った。
「行くって、何処へだよ?!」
理久は更に足掻くが、男は全くどこ吹く風だ。
「俺が治めている国だ!」
「はあ?」
理久が、増々訳が分からないと眉間に皺を寄せると、男は、理久を抱いたまま、普通の人間ではあり得ないスピードで走り出した。
そして、暗く人気の無い公園の奥の、沢山ある木の中のどうと言う事の無い一本の前に来た。
しかし、理久がよく見ると…
外灯の明かりによって、その木の根本の木皮に、大きな白い三日月型が浮かんでいるのが分かった。
しかも突然、その形が、黄金色の光を放ち始めた。
「何?これ!」
理久が驚愕し叫ぶ。
「大丈夫だ。理久。俺がいる。俺が、お前を必ず守る」
男は、理久を抱きかかえたまま、理久を見て優しく微笑んだ。
理久が、その男の笑みを思わずボーっと見詰めたら…
急に更に回りが明るくなる。
理久は、驚き目を閉じた。
だが、その一瞬後。
男に抱かれたまま理久は、何処か全く分からない洋風の部屋にいて…
男は、呪術を思わせる、木床に描かれた不思議な大きな円の上に立っていた。
回りには、変な人形や、面、変わった動物のミイラがそこかしこに飾られている
。
あ然とする理久を抱え、さらに男は、その部屋を出てやはり猛スピードでどこかへ行く。
ここは一体どこなのか?
理久にはその全てが、まるで西洋の御伽話しのお城の中のように見える。
そして、何人か人とすれ違う。
西洋の騎士風の男。
メイド服の美女。
だがその皆の頭に、色々な動物を想像させる耳が付いている。
大の大人がアニマル耳のカチューシャを付けているとは考えずらくて、全て本物に理久には見えた。
理久は、もう色んな事に驚き過ぎて、言葉が出てこない。
獣人達は皆、理久を見るとハッと驚くが
、クロを見ると深々と頭を下げた。
やがて、クロは理久を抱いたまま、西洋風の広い豪華な部屋に入った。
そして、目の前には、天蓋付きのキングサイズのベッドがあった。
男は、そっと理久をベッドの上に降ろすと、男の着ていた白いTシャツを首からバッと脱いだ。
理久の目に、男の鍛え上げられた、筋骨隆々の裸の上半身が映る。
(すっ!凄っ!)
同じ男なのに理久の視線は、男の見事に割れた腹筋に釘付けになる。
その上、なんだか妙にエロいと思った。
だが、何を自分は考えてるんだと否定しようとした瞬間…
男のシルエットに異変が起きた。
男の人の形の頭に、犬のような耳が付いた。
クロに似た、黒い美しい毛並みの。
そして、いつの間にか男がズボンも下着ごと脱ぎさっていて、その下半身から尻尾も出ていた。
これも又、クロに激似だった。
唖然とする理久の視線は、やがて男の下半身の、何も着けていない中央に向かう
。
すると…
男の陰茎が、完勃ちしていた。
それは…
元々理久と男の体格差はかなりあったが、男の性器は、理久が更に驚愕し、恐怖を感じる程巨大だった。
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