017 みんなで、なかよしイベント。その3
勇者がドナドナされていって、意味も無く叫ぶ声が無くなったってことは、勇者パーティへご招待か。強そう、奥の水田!
今は休憩中。今日は暑いし、休み休みでやろうね。今日で終わらなくたって良いし。ちゃんと勇者にはサポートが入ってるから、ちゃんと休んでるはず。勇者のサポートと言えば、聖女サマ。食堂の聖女という最強チームを送り込んでおいた。でっかい牛を優しく従わせて、爆走する大きな
こっちの聖女様は、なんと本物。国に一人居たら〜っていう激レアが団体さんでいる。勇者の正反対とも言える人。勢いが最強の勇者と違って、戦力として最強と言われている。見たし、その通りと思う。
ハーブで作った、新作のお茶を冷やしたのと軽食を配ってもらった。おいしいって声がする。良かった。お茶は売れるかもしれない。冷やす道具も忘れずに。ほわ〜。お茶飲んでひなたぼっこって、幸せな感じがする。
ちょっと休んで、作業再開。みんな慣れてきていて、けっこう早くなってるなあ。
歌うたってる。作業の時の歌だそうだ。子供達は、ちゃんと真面目にやっている様子。勇者にはなりたくないしね。
競ってやると続かないから、抑えて抑えて・・・
そろそろ、昼の仕込みをする。スープとか、煮込み。肉もちゃんと仕込むよ。香辛料も正しく使う。聖都だと屋台のは切って塩をちょっと振るだけしかない。塩も高いし。いや、ちゃんとお金払ってたよ。売ってくれるから。おじさん達と結構稼いでたから、お金持ちだし。捨てられるときはもちろんおじさん達に預けてる。遊んでるのがいても笑って済ましちゃってるのは困ってないって事もある。
肉好きの僕としては、普通の焼いた肉だって、ソースで味が変わる。新メニューは塩・香辛料をまぶして、ちゃんと寝かせておいてから、しっかりローストしたもので,薄く切ってソースを付けて。
野菜好きの僕としては、下ごしらえが必要なものは、昨日から準備して持ってきてる。この金色のスープが
そして、肉も野菜も好きな僕は、取って置いた内臓で汁少なめの、ご飯がススム煮込みを作る。子供もいるので抑えた辛め。もちろん辛くする調味料は、ご自由にってカウンターにたっぷり置いてある。勇者は真っ赤にして食べてみよ。
うんそう。食べるの大好き、何でも。アレなのもコレなのも、取りあえずは食べてみる。ダメだあっていうのは今まで無いなあ。うそうそ、お金持ちの。アレはダメ。料理以前の何かだし。
今度は、肉をね。うすくうす〜く切るの。すごく難しいんだよ。薄く切るの。これをナイショの汁に付けとく。ちょっと臭いから臭い消しにハーブとお高い香辛料をパラパラ。で、臭いのなくなるの不思議。
もう二回、休憩があって、もう昼ご飯準備しなきゃって頃に食堂のお姉さん達が戻ってきた。何かスッキリしたいい顔だ。あれっ? 腕を回している人とか、もう一発とか言ってるし、まあ聞かないでおこう。
勇者は、勇者様だって事だ。
お姉さん達が一休みして、さあってなったので、下ごしらえしておいた新メニューを説明しておく。後は、お姉さん達の指示のもと、食べ物屋台の人が試してOKになったので、お店開始になった。僕は食べるだけ。作るのは好き。作ってもらったのを食べるのはもっと好き。
なぜか同じのを作っても人によって味が変わるの。それが楽しい。
全種類食べるとか言ってる人がいる。みんなで分けたらできるかも、一人では多分無理。お腹パーンってなる。ぱ〜んって、くすくす。
ノラネコこっち来いって言うから、子供達のところにお邪魔する。あとノラネコ禁止って言ったでしょ。みんなで集めれば全種類食べられるからね。僕も全部試したいし。大きなとこ確保して、ぱーっと屋台に散らばった。僕も行く。
「焼くとき、押しちゃダメ。我慢して」つい口出しちゃった。ごめんなさい。余計な事言わないように気を付けてたんだけど味落ちちゃうから、つい。
お互いが売買が成立って思うと、ペンダントからすうっと抜けて行く感じがして、いくら払って今いくらあるって頭に浮かぶ。お財布から出して〜とかのお金のやり取りが無いから、料理を両手に持つことができる。すごく便利!
僕の担当の2皿を持って席に戻る。
アノ国で嫌だった。気にならないって言う人、げえって思う。ねえ、あなたが手を洗っているとこ見たことないけどって言うと怒ったからもう言わない。お札を数えるとき、何で毎回つば付けるのとか怒るから言わないでおく。気にしすぎだ、うるせえって、よく言われるけど。お皿はちゃんと洗うべき! 評判で店潰れるから、気にしすぎた方が良いって思うよ。まあ、僕はアレだから、言われるとすっごく怒る人は多かったなあ。
みんな、ちゃんとお買い物できたそうで、かなり嬉しそう。初めてのお買い物成功だね。おめでとう! ぱちぱち。さあ、いただきましょうになったとき、勇者がご飯で戻ってきた。
「勇者一行のご帰還だ! 拍手っ!!」って誰かが言ったので、大きな拍手が起きた。僕や子供達もパチパチ。みんなまん丸な顔になっている。そんな童話もあったけ、実話だったのかぁ。
ひとしきり盛り上がった後、みんな見ないようにする。これは暗黙のルールってやつ。くすくす声があちらこちらで。
あ〜美味しかった。どれも。新作ので予定と違う味付けになっていたのがあったけど、すごくアリ。覚えておこう。もっと!とか言ってる子がいるので、甘味の店を教えておいた。全部売れると、いくつの店が甘味に変わるの。こういうのどうかな〜って。甘味って、ふつう食べたこと無いし、今回のは驚くと思う。ほっぺが落ちないように気を付けてね。
そうそう、勇者といえば、辛いのは得意とかいって、赤くしていたのがいたなあ。まわりから
楽しいお昼休みは、そろそろ終わり。まあ、内輪のイベントだしね。食事は片付けまで。ちゃんとやらないと後が怖いよ。
サボるのはいないはず、うちの勇者達はふざけるだけで迷惑を掛けるわけじゃ無いから、真の勇者にはなれないだろう。はやく勇者が取れると良いね。
みんなが言ってる勇者は愛称みたいなもの、嫌いな人には言わないんだよ。
まん丸顔の勇者達は、果ての地に出発した。遊んでないで、はやく平定(田植え)して、
相手するのが面倒だとかで、食堂の聖女にはお断りされた。田植えの方がラクって、どうなんだろう。優しい玩具王一行(おじさん付き)にサポートを頼み込んだ。デレデレしそうだなあ。
あ〜。ここ一帯はおやつの頃に終わるけど、あっちは終わらないんだろうなぁ。やってるとこ見てないけど。そんな気がする。こっちが終わりそうな頃、見に行ってみよう。
田植えとかしないで、応援でのんびりとか・・だったのにのんびり出来たのって、ちょっとだけだった。
今、甘味が好評すぎて、おやつの準備が忙しい!!!
そりゃ、お試しだから。失敗で残るの気にして少なくするんだからね。ね。玩具王の派遣の条件に全員乗ってくるとは思わなかったよ。が〜ん。
400人分だよ、ヤバくない? こねこね・まぜまぜ・手は抜かない、愛情は込める、込める。後は焼いて載せるだけ、食堂のお姉さんにお任せして疲れてフラフラって、奥の水田を見に行ったんだけど。
呆れる。もう、
ホント、ガクゼン ト シタヨ って思考が
(買収のしやすさで)可愛い玩具王一行を送ったのが、逆に・・かあ。
仕方なく戻ってもらって、おやつの手伝いをお願いした。やったぁって喜んで行ったよ。勇者達も邪魔なので戻した。聖女に説明してくれるだろう、もう知らん。
とは言え、僕がやれば、あっという間にできる。いい大人が遊んだ後で、ぐちゃぐちゃ。ごめんね。お願いねって、たくさんの妖精さんにお願いして直して、田植えを終わらせてもらった。
とぼとぼと戻ると、
美味しい! まあ、疲れたけど、ワイワイ楽しかったから、いいやって思った。
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