014 牛さん、豚さん可愛いです。

 牛さんに肉が付いていたのが判明したのは、ちょっと前。食堂の奥で皮を脱いで、避暑中。

 お城ステキと遠くから見てるだけで、空っぽになっていたのは気がつかなかった。

 馬さんもほぼ居ないし、ピクニックがテーマのパーク?

 トリさんのアピールでみんないるかと思ってたよ。まあ、ちょっと遠いしね。

 忙しいダメ。ゆとりを持たなくちゃ・・なんて、ぐるぐると。


「「「「「おまたせ〜」」」」」

 皆さん勢揃いでね。服は野良着、手だけ甲冑の、パーンチって飛びそうなヤツ。かっこいい。

 僕は頭脳派なので、もちろん武装ないというか重いと動けない。防御力マイナスだから逃げるためなの。

 ちなみにマイナスの防御力っていうのは、殴ったものの思ったより衝撃を受けて、怒りが引っ込んだ上に反対に、ごめんって謝られてしまうというヤツで、紙装甲のがスゲえという、レベルって何だっけって感じ。


 アタリは付けてるし、地理もバッチリ。妖精さんの力って結構万能! なんだけど狩りの人、どうやって探してるんだろう。ケモミミだから、すごいのかなぁ。

 早々に畑チームに引っ張られたってことは、ほぼ手つかず。警戒も無いだろうけど狩るならともかく、捕まえるのはどうするのだろう。任せてと言われたけど。


 あ、いた! 結構大きいな。

 真ん中のお姉さんがさっと手を振って合図すると、ぱっと散っていった。速い! その後も何か合図を交わしてる。会話しているみたい。周りを囲んでジリジリと詰めてきている。

 多い! 50頭はいると思う。子牛も結構いる。手招きされてトコトコ行くと持っているものを指差された。

「このまま、あの子牛のところに、そおっと近づいてみて。怖がらないで」

 言われたとおりに行っても特に何も無い。人の視線が無ければ平気、怖くない。

 ・・・とうとう着いた。そしてモシャモシャ。どんどん集まってくる。

 いつの間にか、お姉さんが後ろにいて

「そのまま元のところに歩いてみて」

 って言うので、歩き出すと子牛が着いてくる。それから大人牛も・・・

「大丈夫そう、捕獲完了!」とか言ってる。


 それから、牛たちを引き連れて行くと耳元で「いのしし見つけたので捕まえてくる」って、た〜っと走って行っちゃた。足音しないし、風みたいだ。

 視力をぐうっと上げるとお姉さん達がいた。すごいっ。あちこちで猪をぶん殴ってる。

 しばらくしたら、大人しくなって、ナデナデしているように見える、どうしたんだろうか。


 子牛たちとほのぼのしていると「お待たせ〜」ってお姉さん達が、猪を連れて帰ってきた。


「どうゆうこと?」って聞いてみた。猪にこういう性質は無いはず。

「ん。魂の会話でね」何それ。うり坊がチョロチョロと着いてきてる。可愛い。

「さあ、帰ろうね」


 何かすごいパレードが長々と・・・長々と・・・

 そうして、お城に入れて、解散となった。


「肉はね。牛を絞めといたのが、いっぱい残ってるので当分何もしないよ〜 もっと増やしてからねぇ」

 狩りの人達。すごい大変なんだぜ、ありがたく喰えよとか言ってたけど、お姉さん達なら狩り尽くせるんじゃないかしら。ここの環境が変わらなくて良かったって思った。


 お姉さん達は、そのままお風呂に行くそうなので、また商材グループに行くことにした。

 そういえば、〇〇部門って言うのと〇〇グループって言うのは、どっちが良いかなあ。どっちも言ってる気がする。みんな何にも言わないけど・・・ ま、どっちでもいいか。


「こんちは〜 どうですかあ」って、明るくおじゃまする。

 おおっ。同じのがいっぱいあって、工場って感じ。いいね、いいね。


「できてるよっ」って昨日の。「他の人達のも」って早くない?

 化粧箱に入れたのかあ。このままで売れそう、いい感じになってる。


 集まってもらった。

「じゃ、昨日の順番で、使い方というか、遊び方。これはこう積むの、高くね」

 ハテナって反応だなあ。ただ積んだだけだしね。

「これは、順番に抜いて、それを上に載せるだけの遊び。次は作者さん」

 はぁとか言って、抜いて乗せる。最初はね、ラクラク。

 こっからこっから・・・


「おじさん、揺れてる揺れてる」ビビりすぎ。

「ぐらっとしてる。そこ危ないっ」「こっちいいかも」周りから声が掛かる、いいでしょこれ。

「「「「あああぁ!」」」」

 ガシャ〜ンって感じで崩れた。軽いから音はカシャ程度なんだけどね。倒したのは僕の予想を裏切らないおじさん。最初からビビりすぎだったからねえ。


「という感じ。どうだった、面白いと思うんだけど、どうかなぁ」

 口々に面白かったって言ってくれる。好評なようで、何より。

「じゃ、これ生産で。いっぱい作ってね。で、名前焼き印したでしょう。これがこのゲームの名前」

 ええって、驚いてるね。

「こう言うの、やりがい出るでしょ。この後、食堂でお披露目しようね」

 ちょっと涙目だあ。みんなにサプライズが必要だったの。驚かせてゴメンなさい。


「では次。おお出来てるね。相変わらず完成度がすごい!」

 つぎはカードお兄さん。おう、期待してるねえ。まあ、アレ見ちゃうとね。

「使うのはコレ。これを押すの。ポンポンって。この角に数字。入れ方はコレね」

 って、大きな布を出した。びっしり書いてある。がんばってね。

「絵は牛にした。見たことのある中で一番大きい動物だしね」

 兄さん、ハテナがいっぱい。これも面白いよ。期待しててね。

「あとこれも右下にね、お兄さんの名前をポン」

 うんうんそうだよね。


「じゃ、おじさんって。もう商品になってる。

 狙ってるとこ分かってるねぇ、さすがぁ。

 完成してるし、これもお披露目しよう。

 これ、さらにお金掛けたの作ってみて、お金持ちに吹っ掛けるヤツ」

 ニィって、ちょっと悪い顔だ。読まれすぎたよ。さっきのも分かっちゃてるよなぁ。

 これもみんなでやる。単純で分かり易いんだけど、とっても深くて面白いでしょ。

 

「お待たせっ。お姉さん、どんな感じになった」

 分からないで作ってもらったのに、大きさや素材を変えてきたかぁ。実は分かってやってるんでは。

「回すだけなら、平らでも良いんだけど、ここにこう布を貼ってね」

 樽を持ってきて布を貼る。二つ取って、それぞれ巻き巻き。それをぽい、ぽいって投げ入れる。

 ぎゅるるる、カンカンっていい音。

「ええっこれって。何なの、すごいっ楽しそう!」

 順番の最後は盛り上がらなくっちゃ。身体動かす系は必要だからね。

 回すの苦労するかと思ったけど、すぐ出来ちゃってみんなで遊んだ。楽しかった。


 夕ご飯の後、お披露目したんだけど、すごく盛り上がって、順番でケンカが起きたのはご愛敬。

 商材グループの人達が良い笑顔で誇らしげだったのは嬉しかった。

 あと、ゲームが取り合いになったときにゲームの名前を連呼されて真っ赤になっていたって。

 おじさんも・・・。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る